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建設経済新聞社
2018/06/13

【京都】182億円台の6月補正予算案 防災・減災対策に約40億円 府民公募型公共事業を改良

 京都府の西脇隆俊知事は12日、定例会見で6月補正予算案の概要を発表した。知事就任後初となる予算編成で補正規模は182億円台。30年度現計予算8519億円に182億円台を加え、合計8702億円台となる。
 基盤整備(公共事業の全体)は、骨格予算に6月補正予算で肉付け。補正後で前年度を上回る総額を確保する(29年度は単独163億円+公共386億円の計549億円。30年度6月補正後は単独162億円+公共404億円の計566億円)。
 建設関連の主なものをみると、府立医大病院におけるNICUの増床のため、基本設計を実施する。6床から9床に増床しNICUの病床数不足を改善するとともに、将来の「総合周産期母子医療センター」化を見据えた受け皿の拡大を行う。
 新規で保育等子育ち環境充実事業費を計上。民間の保育園、認定こども園、児童養護施設等を対象に、異年齢保育推進のための保育室の間取り変更など、プールの滑り止め処理など、空気清浄機の設置とトイレや階段での抗菌処理など、ディーゼル発電機の設置(防災対策)などを支援する。負担割合は府1/2、事業者1/2。補助上限は1施設100万円。実施期限は34年度まで。
 先進的な防災・減災対策の強化に約40億1000万円規模の予算を充てる。
 整備対象の主な内容は、河川が鴨川(京都市)、四宮川(京都市)、桂川(亀岡市)、高野川(舞鶴市)ほか、砂防が音羽川(京都市)、門前川(和束町)、大谷川支川(福知山市)ほか。
 いろは呑龍トンネルは、南幹線の32年度暫定供用に向け、洛西浄化センター内のポンプ場整備を推進する。
 今年3月に段差が発生した在田橋(福知山市)の撤去及び復旧を行う。
 府内の緊急輸送道路などの落橋対策は28年度に完了済みだが、熊本地震を契機に「落橋しないだけ」ではなく、「被災しても速やかに通行が可能な耐震化」が重要視されるようになったことを踏まえ、橋りょう耐震化対策推進事業費を新規事業化。総事業費11億円を投じ、事業期間3年間で橋梁7橋について、被災後も速やかに通行できる耐震化を計画的に進める。対象は緊急輸送道路や被災時に迂回路がなく集落が孤立してしまう橋梁を優先実施する。
 原子力発電所立地町に接する舞鶴市と綾部市は従来から避難路を整備しているが、原子力災害発生時に円滑な広域避難を行うためには、その他の府内UPZ市町(福知山市、南丹市、宮津市、京丹波町、伊根町)において、計画的に避難路を整備するUPZ市町避難路整備を新規事業化した。整備要望路線は舞鶴宮津線、舞鶴和知線、京丹波三和線、綾部宮島線周辺ほか。なお、京都市域は31年度以降の避難路整備に向けた調査を今年度実施する。また舞鶴市及び綾部市の避難路整備で今年度予算に2億2800万円を計上。
 北部医療センターがん診療棟整備費を新規事業化した。与謝野町の同センターに北部初となるがん診療棟を整備、PET−CTやリニアックの整備により、診断から治療までを一体的に実施できるようにする。32年春の診療開始を予定。
 中丹東保健所内に北部リハビリテーション支援センターを設置する北部リハビリテーション充実費を新規事業化。訪問リハの人材育成などを行う拠点を整備する。高次脳機能障害者の支援拠点としても活用する。
 府民協働型インフラ保全事業費を新規事業化。府民公募型公共事業について、「インフラ長寿命化」につながる提案を加える。募集回数も春1回から春秋2回に増やす。ホームページで進捗状況などを公表し、府民目線で改善する。
 教育関係では、府立高校遠隔教育システム導入事業費を新規事業化。32年4月から学舎制を導入する宮津高校・加悦高校、網野高校・久美浜高校に遠隔教育システムを導入する。
 向日が丘支援学校基本構想策定費を新規計上。府の向日が丘支援学校(長岡京市井ノ内朝日寺11)の改築、長岡京市の共生型福祉施設の整備で共生型地域づくりに向け府市が連携。府は校舎改築等に向けた基本構想の検討に必要な調査等を実施する。
 府立高校トイレ洋式化推進事業費を新規計上。府立高校のトイレ洋式化整備を進める。34年度までに全校1棟(生徒が主に使用する棟1列)100%の洋式化・乾式化を図る。
 中小企業等の裾野拡大と成長支援に約26億7000万円を計上した。
 主な事業では、31年春にオープンする京都経済センター(仮称)について、丹後・知恵のものづくりパーク、北部産業創造センター、中小企業技術センター、けいはんなオープンイノベーションセンターの4拠点とテレビ会議システムで結ぶ京都産業人材育成ネットワーク構築事業費を新規事業化した。京都経済センター(仮称)整備事業費にも予算を計上、府の区分所有予定分に係る財産購入費に充てる。
 和食文化高等教育機関設置推進費を計上。府立大学「和食文化学科(仮称)」の学舎整備として旧図書館棟を改修する。
 新行政棟・文化庁移転施設整備費を新規計上。府庁3号館の建替えと文化庁移転施設の整備(府警本部本館の耐震改修を含む)を一体的に実施する。
 スポーツ拠点施設充実費を計上。綾部市の新市民センター(アリーナ部分)、京丹後市の峰山途中ヶ丘公園陸上競技場、京丹波町のグリーンランドみずほホッケーグラウンドの整備を助成する。
 京都の未来戦略検討費を新規計上。新しい時代の戦略づくりに着手し、策定に要する有識者会議等の開催経費に充てるほか、インバウンド戦略や次世代エネルギー施策、多様な働き方に関する実態調査など政策立案に向けた調査検討経費に充てる。
 執行体制の見直しでは、知事を本部長、関係部局長を本部員とする「子育て環境日本一推進本部」を設置。出会い、結婚支援から出産、子育て、教育、就労支援まで一貫した子育て環境の整備を包括的に実施する。18日に第1回本部会議を開く予定。