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北陸工業新聞社
2018/06/16

【福井】縦横に開かれた地域特性を発揮/福井から発信する日本の未来シンポ開く/国交省近畿地方整備局主催、福井県後援/歴史に学ぶ福井モデル確立へ/まじめな県民気質と克雪の工夫で 

 国土交通省近畿地方整備局が主催し、福井県が後援するシンポジウム「福井から発信する日本の未来〜日本海地域が日本を変える」が14日開かれた。福井市田原1丁目のフェニックス・プラザで。
 福井の歴史を振り返り、日本海地域がもつ日本全体を変えうる潜在能力をどう引き出していくか。今後のインフラ整備の役割や在り方を考えるなか、その方策を様々探った。学生も含む約320人が聴講し会場を埋めた。
 まず歴史家で作家の加来耕三氏が「ニッポンの夜明けは福井から」と題し基調講演。平家物語では影の薄い木曽義仲から賤ヶ岳で敗れた柴田勝家、福井藩主の松平春嶽の活躍ぶりを取り上げ、越の国の兵は強く、まじめな気質の人物性を紹介し「残念ながら雪の影響が大きく成功(イニシアを取る)にはつながらなかった」と指摘。しかし財務省が今日的な問題として財政健全化がない場合「財政破たんもありうる」と断言し、現実味を帯びるなか「北陸で最初に開かれた土地福井、かつ畿内に影響力を強く持った福井」を歴史に照らし福井モデルとして確立して時代の変革期を乗り切る好機などと話しかけた。
 続いて、加来氏とともに小林潔司京都大学経営管理大学院教授と西川一誠福井県知事、池田豊人近畿地方整備局長でパネル討論を繰り広げた。司会はアナウンサーの福田布貴子氏が務めた。

【今後の展望】

加来氏

 鹿児島には元々おもてなしの気持ちがなかった(江戸時代に鹿児島は5人に1人が武士。ちなみに江戸は10人に1人、大坂は200人に1人だった)。ところが大河ドラマ誘致などの奏功で、農業に比肩するほど観光業が育ってきた。つまり経験(最高の観光客数を記録)してみないと実際のところ分からない。福井もぜひ実現を。

小林氏

 道路ネットワークは最後の一区間がつながることで飛躍的に効果が発揮される。その点で遅れてきた日本海側は大きなポテンシャルを秘めている。世界人口の半分以上がアジア地域にいる時代変化をしっかり認識し、まじめに不真面目(大胆)に挑戦する。食べられないと思っていても食べてみないと分からない気概を持って。

西川氏

 恐竜や三方五湖の年縞、新幹線周辺のまちづくり、地域人材の活用など、やや遅れ気味を解消し新幹線(敦賀、京都、大阪へ)とうまく循環させる100年に一度のチャンス到来。「まじめ」とはモノより人(周りの関係性)を思いやり、良くしていく意味合い。お互い励まし合って幸福度をさらに磨き上げていきたい。

池田氏

 インバウンド増の時代、アジアに近い大阪(近畿)は東京(関東)より優位性がある。物流も東北からは関東経由より日本海側を直行した方が速い。福井は、まさに扇のかなめに位置する。従来は海沿いで土地利用が進み、日本経済を牽引したが、これからは内陸がプラスアルファで牽引できるよう(内陸の時代を)応援したい。

hokuriku