トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2018/06/22

【福井】近畿地方整備局九頭竜川ダム統合管理事務所/伊藤太一所長/24日に運用50年「感謝のつどい」を開催/「建設業と二人三脚で地域の安全を」 

 4月1日付の人事異動で、近畿地方整備局企画部緊急災害対策調整官から同局九頭竜川ダム統合管理事務所に着任した、伊藤太一氏。ダム管理に対する心構えや、24日に開催する「九頭竜ダム50周年感謝のつどい」への意気込みなどを伺った。

《河川整備》
 これまでに東北地方整備局北上川下流河川事務所(宮城県)や中国地方整備局岡山国道事務所で河川管理施設の整備・管理等を担当したほか、中部地方整備局、近畿地方整備局で電気通信施設(通信設備や降水観測レーダ等)の整備・管理等を担当。北上川下流河川事務所では、高潮になると度々浸水する個所があったため、堤防の整備に携わった。「河川のぎりぎりまで家があり、川の整備とまちづくりを一体として進めなければならず、難しいが非常にやりがいのある仕事だった」と振り返る。ただ、その後に起こった東日本大震災では、北上川も甚大な被害を受け「災害の怖さ、防災の大切さを改めて痛感した」と話す。
《地域の支え》
 前職は近畿地方整備局企画部で緊急災害対策調整官を務め、災害対応時における職員、建設業者の派遣調整等といった全体マネジメントや、災害対応に必要な設備の導入、各種協定の締結など事前準備の調整に当たった。その中で建設業の力が地域を支えていることを実感したと言い「地域の安全や安心を守っているのは地元の建設業のみなさん。我々がどれだけ旗を振ってもそれだけでは足らず、業者のみなさんの協力があって初めて前に進むことができる。今後も引き続き二人三脚で、ともに事業や防災に取り組んでいきましょう」と呼びかける。
《ダム防災》
 事務所長着任の決意として「何をおいても洪水時のダムの防災操作をしっかりと行うこと」と語り、上流部で水害を未然に防ぎ下流域の安全を守るという、ダムが担う役割の大きさを強調する。また平時においては、観光地としてのダムを積極的に発信したいとし「九頭竜川ダム周辺は桜、新緑、紅葉と季節ごとの表情が楽しめる。他の観光スポットとも連携し、多くの人に魅力を伝えたい」と意欲を見せる。
《敬意と感謝》
 今年、九頭竜ダムは管理開始50年の節目を迎え、ダム事業の推進、ダム管理に尽力、協力した地元の方々への感謝を表す機会として、24日に『感謝のつどい』を開催する。同事務所と電源開発九頭竜電力所とが共催するもので、当日は東洋大学社会学部の浜本篤史教授による「九頭竜ダムの記憶と地域の未来」をテーマとした講演などを予定。「ダムが50年間運用できたこと、さらに遡ればこの地にダムを整備できたことは、ひとえに地域の方のご理解とご協力があってこそ。これまで50年間の歩みをお話させていただくとともに、何より大野のみなさんへ敬意と感謝を伝えたい」と力を込めた。

 いとう・たいち 42歳。新潟県妙高市(旧新井市)の生まれで、幼少期に東京へ移住。電気通信大学大学院修了。資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部では再生可能エネルギーを活用した震災被災地の復興などを担当。趣味はジョギングで、大野市街地の散策がてら汗を流す。

hokuriku