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建設経済新聞社
2018/07/02

【京都】元植柳小跡活用事業者選定 7月早々にプロポ公告へ

 京都市は6月29日、下京区の元植柳小学校跡地の活用について、募集要項案を明らかにした。
 敷地を全面的に活用する事業者を民間事業者等から募集する。事業者からの提案を審査するプロポーザル方式で跡地活用を行う契約候補事業者を選定する。
 元植柳小学校跡地の活用に係る契約候補事業者選定委員会(委員長・八木匡同志社大学経済学部教授)の初会合で市が示した募集要項案によると、プロポに応募するためには、プロポ開始日の前日までに市が定める「学校跡地の長期・全面的な活用に関する提案の募集要領」に記載の事業者登録が必要。応募は複数の法人からの共同提案も可。
 募集対象事業は、@市の政策課題への対応に資することA地域コミュニティの活性化に資することB国内外の文化交流とまちの賑わいを創出する事業であることのいずれも満たす事業。
 @は「正規雇用の創出、市内事業者との連携」「伝統文化・伝統産業等の活性化につながる物品や技法の活用」「避難所、その他防災上の機能強化」「公共交通の利用促進等による回遊性の向上」等、Aは「地域住民が利用する施設の整備(自治会活動スペース)」「施設の維持管理」「地域住民との円滑な関係の構築」、Bは「国内外の文化交流の促進」「まちの賑わいの創出」。
 既存建物は不動産鑑定評価等に基づく適正な価格で譲与する。
 既存建物を解体(除却)し、建物を新築することもできるが、その場合は「学校周辺は本願寺の門前町として発展してきた町並みが色濃く残っているため、こうした歴史的な景観と調和のとれた建築デザインを行う」「学校周辺は、本願寺伝道院や藪ノ内家邸宅など歴史ある建築物や植松児童公園などにより、良好な都市景観が形成されており、整備に当たっては敷地全体のゾーニングやランドスケープ等も視野に入れ、周辺環境との調和を図る」「地域コミュニティの活性化に資するシンボル的な存在となるような整備を行う」の視点を積極的に取り入れるよう求める。
 貸付の範囲は同校の敷地全て。貸付期間は10年以上60年以内の範囲内。契約の形態は、定期借地権50年以上60年以内、又は事業用定期借地権10年以上50年未満とする。
 選定委の初会合では、委員から「両本願寺に挟まれた場所にあり、信者や海外からの観光客も多い。植柳学区の賑わいを増やしてほしい」「自治会活動で頻繁に利用しており、貸付後もこれまでの利用ができるようにしてほしい」などの意見があった。
 市は「学校跡地を起点にまちづくりの起爆剤にしたい」「まちづくりを担っていただける若い方に集まっていただけるようなものにしたい」と方針を示した。
 今後は7月の早い段階で募集要項を公表する予定。3ヵ月弱の募集期間を経て、9月〜10月頃に選定委を開く。最終の選定委から約1ヵ月後に事業者を選定する予定。基本協定の締結(市と事業者との間で今後の協議事項等について合意)、事前協議会の設置(市、地元、事業者の3者により活用計画の詳細を協議)を経て、31年度の早い段階での貸付契約の締結を目指す。
 元植柳小学校跡地(京都市下京区西洞院通花屋町下る西洞院町466、下京区東中筋通花屋町下る柳町330)は京都駅から北西側の約900mに位置し、敷地面積は4697・47u(実測)。用途地域は近隣商業地域(建ぺい率80%、容積率300%)で、高度地区は15m第3種高度地区。このほか、歴史遺産型美観地区(本願寺・東寺界わい景観整備地区)など。
 既存建物は@校舎(管理棟)RC造2階建、延488u(面積は概則。以下同じ。昭和34年築。耐震強度Is値0・46。未改修)A体育館S造平屋建、389u(昭和11年築。未改修)B校舎(南校舎)RC造4階建、延918u(Is値0・41。未改修)C校舎(北校舎)RC造4階建、延1797u(昭和44年築。Is値0・22。未改修)D倉庫CB造平屋建、20u(昭和45年築)E倉庫CB造平屋建、13u(築年不詳)F倉庫W造平屋建、12u(築年不詳)。このほか受水槽(機械室)、消防団詰所・器具庫(植柳消防分団)、防火水槽1基など。既存建物は耐震性能を有していないため、保存する場合は耐震診断を実施し耐震改修が必要になる。