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日刊建設工業新聞
2018/07/10

【鳥取】記録的大雨による被害/応急復旧10億円規模を専決へ

 梅雨前線が居座って5日から降り続いた大雨によって、県内の公共土木施設に被害が広がった。国道など各幹線道路が通行止めとなり、一時は県全体が孤立状態に。県は9日から河川や道路など被害状況の確認作業に入った。平井伸治知事は9日の定例会見で「できるだけ早く応急など必要な予算を確保したい」と述べ、当面10億円規模の応急復旧予算を9月県議会を待つことなく、専決処分する考えを明らかにした。
 5日の降り始めから9日にかけての総降水量は▽智頭町479・0_▽鳥取市佐治町454・5_▽若桜町393・0_―など7月の観測史上最大を記録。数十年に一度の重大な災害が予想される際に出される「大雨特別警報」も、6日夜に鳥取市南部、智頭町、若桜町、八頭町、7日朝には鳥取市北部、三朝町、江府町、伯耆町、南部町、日野町、日南町で発令された。
 公共インフラの被害は八頭管内を中心に広がり、9日正午までに県管理道路11カ所、河川5カ所、治山1カ所、土砂災害2カ所、港湾2カ所で確認した。道路では増水した千代川によって洗堀された国道373号(智頭町智頭、福原)が崩壊したほか、主要地方道津山智頭八東線(同町大呂)などで路肩が崩れた。
 県土整備部は「河川水位の低下を待って本格調査したい」(技術企画課)と話しており、9日から一部河川や道路の被害を現地調査している。
 また、平井知事は避難所の開設や農林被害をはじめ、インフラの応急などに充てる専決予算の編成を各部局に指示した。定例会見で平井知事は「初動予算として10億円を専決し、足らないところは9月補正で対応したい」と説明した。
 10日には上京し、県域を越えて中国地方の各知事らと連携し、財源措置などを関係省庁や国会議員に要望する。

日刊建設工業新聞