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日刊建設工業新聞
2018/07/12

【鳥取】袋川2カ所の頭首工/撤去で近く設計を発注

 県東部農林事務所は、農地の市街化に伴い使用されないまま老朽化している、鳥取市国府町宮下と鳥取市大杙の一級河川袋川に設置されている2カ所の農業用頭首工の撤去を計画している。そのうち、2018年度は、国府町宮下の乙堰の実施設計を行うことにしており、7月下旬に設計業務を発注する。概算委託費は約1500万円を見込んでいる。
 豪雨などにより破堤した場合に甚大な被害が想定されるため、17年度に農村地域防災減災事業で事業計画を策定。18年度から農業用河川工作物応急対策事業を導入して、不要となった築堤護岸内の施設を撤去し、護岸を復旧する。実施設計を県が行い、施工は河川を管理する国交省が担当する。概算事業費は約2憶6000万円を試算している。
 下流側の大杙に設置されている大杙かんがい頭首工は、1952年に河川工事に伴う機能補償工事として施工された。その後、83年に樋門、管理橋などが整備されているが、築造後60年以上が経過し、コンクリート構造物などはかなり劣化している。また、上流側の国府町宮下に設置されている乙堰も52年に改修されたが、ゲートは全閉状態で、頭首工の一部は破損し、護床も流出している。
 このため、河川を管理する国交省から施設の改善指導を受けていたが、両堰とも取水樋門は、護岸堤防内を横断しており、地震や洪水時に破たんした場合に想定される住宅地への被害を未然に防止するため撤去することになった。17年度に日化技研に予備設計を委託して、国との協議で撤去範囲や撤去工法など施工計画をまとめた。今後の見通しとしては、18年度、頭首工、土砂吐、取水樋門、堤防内樋管を撤去する乙堰、19年度に大杙堰の実施設計を行い、20年度に乙堰、21年度に大杙堰の撤去工事を行う計画にしている。

日刊建設工業新聞