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建通新聞社
2018/07/17

【大阪】自治体の約2割が元請を加入業者に限定せず

大阪府と府内市町村のうち、公共工事を実施する元請け業者を社会保険等加入業者に限定していない自治体は約23%を占め、1次下請けでは約61%、2次下請け以下では約77%が限定する取り組みをしていないことが本紙調査で明らかになった。府内の社会保険等未加入対策の現状を探るため、府と43市町村に元請けと下請けに対する取り組みについてアンケート調査を行った。
 回答を見ると、公共工事を実施する元請け業者を社会保険等加入業者に限定していないのは10市町、このうち9市町は実施予定時期についても未定としている。一方、元請け業者に対して、未加入の1次下請け業者と契約した場合、特別な事情を除きペナルティーを科しているのは、堺市、池田市、高槻市、箕面市の4市だけで、2019年4月までの実施予定を加えても府と8市にとどまっている。
 1次下請けについては、加入企業に限定しているのは府と16市町で、取り組んでいない27市町村のうち26市町村が今後の実施予定も無いか未定としている。2次以下については、取り組んでいるのは府と9市で、取り組んでいない34市町村の全てが今後の実施予定は無いか未定としている。
 国土交通省は、社会保険等未加入対策の一環として、直轄工事では17年4月から2次以下の下請け業者についても加入企業に限定している他、同年7月には公共工事標準請負契約約款を改正し、下請け業者を加入企業に限定する規定を設けている。さらに、地方自治体での取り組みが遅れていることから、加入企業による施工の確保を図るため、受注者から発注者に対して、下請けを含め加入企業に限定する旨を誓約した「誓約書」を提出する取り組みを開始し、18年1月に都道府県を通じて市町村への周知徹底を通知している。
 社会保険加入対策については、建設業法を改正し、建設業許可要件に社会保険加入を追加することが検討されており、下請け企業の加入率を高めるには、入札契約制度だけでなく、国レベルのさらなる対策が求められている。