トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(山梨)
2018/08/10

【山梨】年度内5カ所目へ着工 ファスト10の小水力発電所建設

 県企業局が進めている小水力発電施設整備においては現在稼働中の2カ所に続いて、本年度3、4カ所目の発電所建設に着手した。年度内には5カ所目への着工を見据えている。
 工事発注を終えているのは峡東第1および第2発電所建設工事で一括して酉島製作所が5月に落札。年度内完成を目指し施工を進めている。峡東地域広域水道企業団の施設を利用しての発電施設で、モデル施設として設置した塩川第2発電所と同じシステムを採用している。最大発電量は第1が100kW、第2は35kW。合計した年間電力量109万kWhは一般家庭300戸分を賄う規模としている。
 また西山ダム維持放流設備工と一緒に発電設備も整備する計画も進めており、こちらは2カ年事業で実施する。ダム直下に設備を据え付ける予定で、水の供給元となるダムの壁には穴を開けジョイントする設備は既に整備済み。発電所では水車を回転させるラインとバルブに流すラインとに分けるとしている。年内に設計を終え、年度内の工事発注を目指している。
 ほか小水力の関係では、ダム直下に整備したモデル施設の深城のさらに下に第2発電所を計画しており、これについては基本設計までの作業を終えており、次の整備箇所として期待される。
 県が「やまなし小水力ファスト10」と銘打って推進する小水力発電は、固定価格買取制度を活用して実施されている。平成25年度からの10年をめどに10カ所程度の発電所整備を目指しているところ。ここまで平成27年4月に運転開始の朝穂堰浅尾発電所、同じく29年6月の重川発電所の整備を終えている。前者はかんがい用水を、後者は重川の流れをそれぞれ利用して発電を行っている。
 これとは別にモデル施設としてそれぞれタイプの違う大城川(運転開始平成26年9月)、深城(同平成24年4月)、塩川第2(同平成22年4月)および若彦トンネル湧水(同平成22年4月)の4カ所の発電所が整備されている。大城川は砂防ダムを、深城はダムの放流水を活用して発電を行っており、前述の塩川第2は水道施設内に据え付けられ、若彦はトンネル湧水を利用するかたちでモデル施設として整備された。