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建通新聞社(神奈川)
2018/08/28

【神奈川】県企業庁 早戸川小水力発電所 建設地見直しへ

 神奈川県企業庁は、早戸川上流部での小水力発電所について、建設地を見直すことになった。当初構想の「蛙沢砂防堰堤地点」から堰堤上流地点にまで範囲を広げ、適地を探るもの。700`hとしていた最大出力も変更する方向だ。建設コストを含めた検討を行うため、現在、発電計画可能性調査の委託手続きを進めている。
 早戸川での小水力発電所設置構想は、再生可能エネルギー導入を目的としたもの。上・中・下流部のそれぞれで設置を計画しており、2016〜17年度には下流部に最大出力72`hの「湘南ベルマーレ早戸川発電所」を建設した。
 上流部(相模原市緑区鳥屋地内)への設置は、構想の第2段階として位置付けられている。最大出力700`hで、年間発電電力量は一般家庭1343世帯分の使用量に相当する約400万9000`h/時を当初は想定。砂防堰堤に取水設備を構築し、そこから発電所までをトンネルで導水するとしていた。
 しかし、17年度に日本工営(東京都千代田区)で進めた基本設計を通じ、建設コストなどに関する課題が明らかとなったため、建設地や整備方法を見直すことになった。
 今後委託する調査(蛙沢えん堤上流地点発電計画可能性調査業務)では、建設地の対象範囲を広げ、既存堰堤の活用にこだわらない方法を模索することになりそう。履行期限とする19年3月15日までに、施設の建設地、最大出力、建設コストなどを導き出してもらう。
 また、20〜23年度を建設時期としていた今後のスケジュールについても再検討することになる。ただし、工事の完了時期はなるべく変更しない考えでいる。
 なお、上流部の発電所完成後に設置する3番目の施設についても、建設地などを同様に見直す可能性があるという。当初構想では、中流部の奥野砂防堰堤地点に最大出力320`hで計画。23年度以降に工事を行うことになっている。

提供:建通新聞社