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日本工業経済新聞社(茨城)
2018/09/03

【茨城】北茨城市が設計プロポ/磯原中新築で


 北茨城市は磯原中学校新築工事の基本・実施設計業務の公募型プロポーザルで、岡田新一設計事務所(東京都新宿区)・且ト建築設計事務所(水戸市)JVを最優秀者に選定した。建物は1階がRC造、2階がW造の混構造。学年を超えた交流空間「かがやきホール」の設置、動線の歩車分離、クラスの増減に対応できるよう構成した普通教室、多様な使用用途に対応する特別教室などを提案した。順調なら9月上旬までに契約を締結し、設計業務に取り掛かる。履行期間は2019年3月30日まで。

 現在の磯原中は建築から50年が経過しており老朽化が顕著。既存敷地で増築を繰り返した結果、手詰まりで校庭も狭あいとなっており現地での建て替えは困難であることから移転建設を行う。
 建設地は現校舎の北西に位置する県道北茨城インター線沿いの約3万6000uの敷地。校舎や体育館などを含む計画延床面積は6700u。既存施設解体などを含んだ総工事費は25億6200万円を試算。
 設計業務の公募型プロポーザルは6月6日に公告。4者が参加を表明し、8月2日の1次審査、21日の2次審査を経て選定した。
 最優秀者の提案は、1階をRC造、2階をW造小屋組の混構造とすることで「木のぬくもりのある校舎」を実現。2階のW造は自由度が高く、イニシャルコストに配慮した計画が可能。
 配置については、北側に校舎、南側にグラウンドとする。運動場面積をより有効に利用するために緩やかな曲線を取り入れたアプローチ空間「出会いのプロムナード」を設け、生徒、来校者、地域開放の主動線とする。また東側と北側の外周路を車動線とすることで歩車分離を実現する。
 建物内部は、異学年のふれあいを促し学年集会や大勢の来客の際の会場としての利用を見込む「かがやきホール」、図書室とコンピューター室の機能を備えた「メディアセンター」、音楽室や調理室に隣接して多用途に使える「多目的室(ランチルーム)」を核として配置。
 普通教室は全て南向きとし、明るくさわやかで健康的な教育環境向上の基盤をつくる。少人数学習などに対応すべく多目的学習スペースと教材庫、トイレ、多目的室、普通教室3室をひとまとまりとして3ゾーンに配置。クラスの増減にも対応可能とする。北側の特別教室については、作品展示などができるようなメディアスペースを中心として家庭・音楽・創作・理科の4部門に関連する教室を使いやすくまとめ、テラスや吹き抜けを通して一体利用が図れるよう配慮された。
 2階は校舎から屋内運動場までを全てテラスでつなげ、屋内運動場や柔剣道場の状況をみられる体育デッキやグランドを見渡せるかがやきデッキなどを提案し、多様な使用用途が可能。
 そのほか木の魅力や特性を生かすため内装材への木製製品使用や太陽光パネルの設置、外壁・屋根面の高断熱化、全館LED照明の採用などを検討する。
 担当課は「公表した技術提案書やイメージは設計として採用されたものでないので、内容は変更となる可能性がある」と話す。
 想定工事スケジュールは19年6〜9月に造成工事を実施。同年9月に工事入札手続きを行い、12月議会での承認を経て同月下旬に着工。21年2月までに校舎、体育館、柔剣道場、附帯建物を建設する。21年6月から22年3月にかけて2期工事を実施。外構工事および既存施設の解体を行う。