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北海道建設新聞社
2018/09/21

【北海道】地震被害額1500億円 土木施設や農林水産など

 北海道胆振東部地震による被害額は、公共土木施設や農林水産業の被害などを合わせて1500億円が積み上がっている。このうち公共土木施設は道路や橋梁、河川などの被災で少なくとも1000億円の被害となっている。ただ、確認できていない箇所もあるため、今後被害額はさらに膨らむ可能性が高い。
 ■道まとめ、国に支援働き掛け
 被害額は19日までの調査で判明したもの。公共土木施設や林地の大規模崩壊など直接的な被害で、観光産業への影響額などは含まない。林地や農地が大きな被害を受けた厚真、安平、むかわの3町などでは現在も調査が続いている。
 道のこれまでのまとめによると公共土木施設は、道路は大規模な土砂崩れが発生した道道上幌内早来停線をはじめ決壊や陥没が多数確認され、橋梁も平取厚真線のほか複数路線・箇所において損傷の報告が上がっている。河川は厚真川などで河道閉そくや堤防天端にクラックなどの被害が出た。
 ■今後膨らむ可能性高く
 このほかの被害は、林業関係で林地の大規模崩壊により225億円、林道損壊で48億円を試算。農業は、農地の土砂堆積や用水路損壊などで93億円の被害が出ている。港湾施設は、苫小牧港のコンテナターミナル液状化や護岸・岸壁沈下などで5億3000万円、漁港は施設損壊などで10億円の被害となっている。
 高橋はるみ知事は20日の第3回定例道議会の代表質問で、公共土木施設被害について「これまで経験したことのない震度と脆弱(ぜいじゃく)な火山灰により大規模な山腹崩壊が発生し、土砂が連続的に堆積するなど施設被害に加えて、今後の大雨などによる2次災害の恐れがある」と指摘。「復旧額の算定に当たっては施設自体の復旧に加え、施設外の堆積土砂の撤去・搬出や法面保護、再度災害を防止する観点から、背後の土砂崩れを防止するための施設の新設など、さまざまな対策を最大限盛り込んだ」と説明。国に対して直接的な被害のみならず、産業への影響など深刻な実態を踏まえた支援を働き掛けると強調した。
 道はこれらの被害とは別に、道内の宿泊施設のキャンセルなどによる観光産業への影響額が292億円に上っていることを公表している。