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北陸工業新聞社
2018/09/29

【石川】「辰巳用水関連施設群」が認定/今年度の土木学会選奨遺産 

 土木学会は28日、18年度の選奨土木遺産に、「辰巳用水関連施設群」(金沢市)が認定されたと発表した。県内では4件目となり、今回、NPO法人「辰巳用水にまなぶ会」が推薦したもの。
 辰巳用水は、金沢市内を流れる約11キロの用水路で、1632年(寛永9年)に三代加賀藩主の前田利常が板屋兵四郎に命じて短期間で造らせたもの。金沢城の防衛・防火のための用水を導水する目的で掘削され、開渠が困難な急傾斜地では、長距離の隧道を築造した。また、兼六園から百間堀を横断させ対岸の金沢城へ用水を届けるため、当時としては大規模な伏越(逆サイフォン)を用いた。さらに、隧道を含む用水全体の勾配を約270分の1とするなど高度な測量および土木技術が使われている。
 今回の認定に当たっては、小立野台地系を巧みに利用した隧道と開渠・暗渠によって金沢城内外を潤す水路と横穴・管理道・伏越・専用水路などが土木遺産として価値が認められた。なお、辰巳用水は2010年に一部約8・7キロが国史跡に指定されている。
 県内ではこれまで「手取川霞堤」(能美市、川北町)「七ヶ用水大水門および給水」(白山市)、「甚之助谷砂防堰堤群」(同前)が土木遺産に認定されている。

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