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北海道建設新聞社
2018/10/04

【北海道】バイオガス発電計画足止めで月内に推進協設立 十勝自治体

 北海道電力の送電線の空き容量がないために十勝管内のバイオガス発電施設の建設計画が相次いで足止めになっている事態を受け、管内の自治体などは課題解決に向けた新しい協議会を立ち上げる。売電できない現状の打開策を国に要望するほか、エネルギーの地産地消に向けた地域分散型電源についても研究する。月内にも初会合を開く予定だ。
 北電は今春から、十勝管内で発電所の建設を計画している事業者に対して、道東地方の送電を担う日高幹線の空き容量がなく系統連系ができる見込みが立たないとの説明をしてきた。想定潮流の合流化など既設設備の有効活用策を導入したが空き容量を確保できなかったことや、状況を改善するには送電線を増強する手段があるが、大規模な工事となり事業者負担が過大であることも話したという。
 豊頃町ではこの説明を受けて、総工費約36億円のバイオガスプラント1基の基本設計着手を見送る方針を固めた。帯広市の川西地区では、地元農家による法人が総事業費20億円強のプラント10基を計画し、2019年4月の着工を目指していたが大幅な見直しを迫られている。
 また北海道胆振東部地震で発生した大規模停電(ブラックアウト)により、管内の畜産業では搾乳作業や生乳の受け入れに多大な影響を受けたことから、災害時のリスク分散に向けた電力インフラ整備を求める声が上がっている。
 こうした事態を背景に、仮称・十勝バイオマス関連事業推進協議会が設立されることになった。構成団体は管内市町村や十勝地区農業協同組合長会、帯広商工会議所、帯広畜大など。全国組織で吉田弘志鹿追町長が会長を務めるバイオガス推進事業協議会とも連携していきたい考えだ。