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建通新聞社(神奈川)
2018/10/11

【神奈川】川崎市 街路樹管理計画で実施プログラム

 川崎市は、「街路樹管理計画」(2018〜27年度)の実施プログラムを作成するための支援業務をアジア航測神奈川支店(川崎市麻生区)に890万円で委託した。履行期限は19年3月15日。街路樹管理計画で設定した「更新・撤去候補路線」13路線について優先順位を付けるとともに、更新(植え替え)・撤去に掛かる概算事業費を算定した上で、各道路公園センターを通じて地域の意見を聞き、実施プログラムを来年夏ごろまでにまとめる。また「シンボル並木路線」に設定している市役所前通り(川崎府中線)など13路線については、樹高、樹形、枝下高、樹間など維持管理の手法を検討し、19年度からの剪定作業などに反映させていく。
 川崎市の街路樹は約4万1000本で総延長229`。樹種は95種に及ぶ。またグリーンベルトの植栽総面積は16万平方bで、その6割をオオムラサキツツジが占めている。
 大きく成長した街路樹は、都市空間に潤いをもたらす一方で、課題として▽大径木化や老木化による倒木▽根上がりによる通行障害▽落枝や幹枝のはみ出しによる車両との接触▽交通安全施設などへの影響▽道路空間とのバランスが悪い街路樹▽交通安全施設(道路標識など)への影響▽限られた維持管理費による対応―などが指摘されている。
 そこで街路樹が持つ多様な機能を総合的に発揮させるため、「街路樹管理計画」を策定し、効果的に維持管理することにした。
 まず、歩道の幅員が狭いなど歩行者などの通行に支障となっている路線は「更新・撤去候補路線」とし、植栽基盤の改善や樹種の更新などの対応策を講じる。植栽升を広くすることが難しい場合は、歩道下部の土壌改良や防振シートなどによる根止めなどの対策を実施し、根上がりなどの問題を解消する。
 樹種の変更、植え替えに当たっては地域住民の意向に配慮し、街路樹に求められる機能を再考し、計画的かつ段階的に実施する。樹種選定では、歩道の幅員、植栽地の乗降、周辺環境との整合などを勘案し、狭い場所では、成長の遅い樹木や中低木への変更も検討する。
 安全な通行や見通しの確保のため、必要な有効幅員(原則2b以上)が確保できない狭幅員歩道や、信号機、道路標識などに近接した街路樹について撤去や間引きを検討する。
 一方、各区の緑化推進重点地区などの景観的に特に重要な街路樹と認められる区間を「シンボル並木路線」とし、定期的な剪定などによる樹形管理を実施し、統一美を発揮できる街路樹として管理する。
 また街路樹を健全に保ち、かつ街並みの景観向上など街路樹の機能を効果的に発揮させるために、定期的な剪定や刈り込み、除草を行う。剪定に当たっては、樹種ごとの特性や生育環境を踏まえ、おおむね1年から3年に1回の頻度を目標に実施し、街並みと調和のとれた樹形を維持する。刈り込みや除草については、交差点周辺における見通しや歩行者などの通行障害とならないように配慮する。
 これら街路樹管理の取り組みを支えていく手法については、現行の寄付金制度を活用する他、街路樹パートナー制度などの新たな財源確保に向けた仕組みづくりを進める。

提供:建通新聞社