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北陸工業新聞社
2018/10/25

【富山】とやま新機軸/誠実と和で地域に根差した仕事を/新栄建設社長高平公輔氏/「大家族経営目指す」 

 新栄建設(立山町大清水18)の代表取締役社長に高平公輔氏が就任した。地域建設業を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、どのような考えで経営の舵取りを行うのか。高平社長に抱負や課題、会社の運営方針などを伺った。
―まず、社長就任の抱負からお願いします。
 弊社は1950(昭和25)年に創業。社是にある誠実と和を旨とし、何事にも誠実に、地域に根差す仕事をしっかり行っていくことがベースにある。それを継続することで発展してきた。その根本を大事にしたい。さらに、自己中心的ではなく、業界や地域を含めて和を大事にしていきたい。建設業は、それぞれの地域の未来を創るのが仕事。今の環境の中で、誇りを持ってやっていく。
 一方で、業界を取り巻く環境の変化は激動しており、どんどん新しい物を取り入れる必要がある。全部を吸収することは難しいが、会社が生き残るため、新しい発想と行動力でチャレンジし、変化に即応できる経営を目指したい。経営理念の本質は変えず、経営手法には新しい変化を取り入れる「不易流行」の姿勢で臨みたい。
―課題と改善・解決に向けた取組方針をお聞かせ下さい。
 高齢化の進展と人口減少社会にあって、担い手の確保が大きな課題。すぐに成果は出ないと思うが、若年層が建設業に触れる機会を増やすことが重要と考えている。一方通行ではなく、建設業の各団体からいろんな角度、手法で取り組みをどんどん進めることが大事。
 働く人の価値観や優先順位は昔と比べて幅広く、福利厚生費の活用をもっと考える時代にある。社員旅行とは異なるアプローチもあると思うし、活用方法によっては良い方向に持っていけると考えている。
 除雪作業も大きな問題。年々除雪をする会社が減り、各社の担当エリアがどんどん拡大している。除雪業者の疲弊が進み、体制的にも限界に達している。有効な打開策はないが、将来的な方向性を打ち出す時期に来ていると思う。
―会社運営で重視する点は。
 社員にこの会社に勤めていて良かったと思ってもらいたい。ICTなども大事だが、最後は人。経営陣と社員が会社の方針を理解し、お互いに高めながら一丸となって行動する「大家族経営」を目指したい。
 経営陣と社員の意思の疎通が良ければ、現場の変化をいち早く捉え、戦略を変更・修正することが可能。主体的に判断し行動することで、社員のモチベーションも高くなる。
 もっと風通しの良い組織にしたいと思うが、社員が一堂に会する機会は少ないため、「社長と語る会」として、社員一人ひとりと腹を割って話しをする機会を設けることにした。社員のいろんな考えを集約し、今後の会社の舵取り、方向性のヒントにしたい。それを参考に自分で考え、行動に移すことが私の最たる仕事。充実感のある仕事をしてもらえる環境整備を進め、「新栄イズム」を伝承していける職場づくりに努めたい。
 ◆   ◇   ◆
 たかひら・こうすけ 75年3月、立山町生まれ。43歳。石川県立金沢泉丘高校卒。95年に新栄建設の関連会社・高新工業に入社。11年から専務取締役。新栄建設では15年に取締役営業部長、16年に取締役副社長、8月から代表取締役社長。趣味は海釣り。富山青年会議所理事長など歴任。県建設業協会では現在、青年部副部長を務める。20年の全国建設青年会議は北陸が幹事で、富山も主体的に関わる。「全国の各ブロックで抱える課題の優先順位は違うが、インフラの必要性を訴えるため、夢のあるテーマを持ち寄り発表できたら」と、開章夫青年部長を中心に準備を進めている。

hokuriku