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鹿児島建設新聞
2018/10/23

【鹿児島】県工事成績評定/コンクリート ひび割れ防止策に加点

 県は22日、2019年1月の改定に向けて準備を進める工事成績評定の考査項目に関する素案を公表した。法令・仕様書の変更等に伴う項目の整理や今後の建設行政の目標に沿った新規項目の追加など、約1800項目のうち約500項目を変更。抽象的で判断が難しかった文言も明確化した。新規項目では、インフラの長寿命化を図る観点から、コンクリートのひび割れ防止等の対策を評価するほか、現場の安全対策にも目を向ける方針だ。 


■打設・養生のひと手間&]価 

 品質管理では、構造物の寿命を大きく左右するコンクリートのひび割れ防止策に関する評価を新たに盛り込んだ。レディーミクストコンクリートの使用(重み付き加減点0.46点)のほか、打設・養生のひと手間=i型枠の取り外し時期、沈下ひび割れの防止、保湿・断熱・保温効果のある養生など)に対する加点項目(同最大1.38点)を新設。出来ばえも、ひび割れが少ないほど評価(同1.32点)する。 
 工事特性は、難易度が高い工事の判断基準を明らかにして、その範囲を拡大。資機材の全部または一部を海上運搬することで稼働率の制約を受けやすい離島の作業条件も評価に反映(同0.27点)させたい考えだ。 
 創意工夫では、評価対象の内容を明文化し、評定者によるバラつきを防ぐ。従来、NETIS登録技術は最新のものを対象としていたが、改定後は安全性や品質向上に効果がある工夫であれば、それに限らず評価する(同0.4点)。安全対策は、夏場の熱中症対策や法令で義務化される前に取り入れた対策(例=フルハーネス型の墜落制止用器具など)を評価対象に加える(同0.4点)。 


■労災抑止へ安全管理も 

 安全対策は、現場の労災抑止の観点から、受注者が任意に行う取り組みを評価。OHSAS18001やISO45001の導入(同0.1点)のほか、安全管理のキーマンとなる職長の活動状況(ツールボックスミーティングなど)、KY活動にも加点する(同0.1点)。 
 施工体制は、下請けに関する「建設業法令遵守ガイドライン」に抵触していないことや二次以降の下請けの社会保険加入確認、建退共制度適用事業主の標識が掲示されている場合も評価する。 
 このほか、工程管理は従来のスピード重視から適正な進捗の評価に見直す。発注後の事情によって工程が遅れる可能性が生じた場合のフォローアップや災害復旧などタイトな工程管理が求められる工事にも加点。現行の考査項目で目立っていた「美観がよい」の表現や抽象的だった地域貢献活動の評価はより判断しやすい内容に書き換える。 
 今回の改定のキーワードは、@「現場の汗」を細かく拾い上げるA「いい仕事」に光を当てるB建設業の働く環境に着目−の三つ。土木部監理課工事監査では、「評定者の文言解釈によって評価が左右されることなく、現場の知恵と追加のひと手間で点数が積み上がる仕組みにしたい」としている。 


◆来月11日まで意見募集◆ 

 県では11月11日まで、今回示した素案について受注者等からの意見を募集する。内容はホームページで公開中(「鹿児島県 工事成績」で検索)。改定案は同30日までにまとめ、12月の周知期間を経て19年1月1日から運用開始する。 
 問い合わせは、土木部監理課工事監査(рO99・286・3523)まで。