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北陸工業新聞社
2018/10/26

【富山】地域の伝統生かす提案/八尾統合中設計・建設等総評/富山市・BTO/地元企業参画で経済貢献を評価 

 富山市は25日、八尾地域統合中学校設計・建設・維持管理・運営事業(BTO方式)の審査講評を公表した。
〈総評〉
 本事業には2グループから提案があった。両グループの提案は、これまでのPFI・PPP事業実績に基づく、民間事業者ならではの創意工夫が随所に盛り込まれており、高く評価できる内容であった。今回、優秀提案として選定したYグループ(佐藤工業グループ)の総評を述べる。
 事業計画については、PFI実績が豊富であり、資本金・内部留保金ともに十分に確保されており、複層的かつ具体的なセルフモニタリングやリスク管理等の体制が確立されていることが高く評価された。
 設計業務については、八尾地域の地域性に配慮した施設計画、日常的な生徒の安全性や施設管理面への配慮、屋内運動場の使い勝手に配慮した提案等が高く評価された。
 建設・工事監理業務については、周辺農地への影響に配慮した工事工程、建設段階で利用者等のニーズを反映する仕組み等が高く評価された。
 維持管理業務については、周辺農地への影響に十分配慮した外構の維持管理方法についての提案等が高く評価された。
 運営業務については、調理体制、開業準備計画、セルフモニタリング及び研修計画等の具体性のある提案等が高く評価された。
 入札者独自の提案については、八尾地域の伝統を生かした特色ある提案、生徒や地域の参画等を通じた地域社会への貢献、地元企業の参画等による地域経済への貢献が高く評価された。
 選定されたYグループにおかれてはそのノウハウを最大限に活かして、提案内容を確実に実現するとともに、市におかれては業務水準の維持・向上のための継続的なモニタリングを実施されたい。さらに、市と事業者間で良好なパートナーシップを構築し、この学校に通う子供達や今後輩出される卒業生、地域住民に末永く愛される学校を実現していただきたい。
 また、提案時点で具体的な検討がなされていなかった部分も見られたことから、それらの点に係る詳細な検討・検証を行うとともに、特に以下の事項についての対応・工夫・配慮等を、選定委員会として要望する。
・屋外大階段の運用については、使用頻度を高め快適に利用できるように学校との協議を十分に行っていただきたい。また、外部空間のため、維持管理や上下足の履き替えの面から、例えば、庇や屋根を設ける、あるいはこまめに清掃を行うなどの配慮をしていただきたい。
・屋外大階段の配置については、階段により生じる影や階段裏部分が昇降口から見えるため、学校正面からの景観等に配慮していただきたい。
・「八尾のイエ」については、利用頻度を考慮して、「和室」との一体利用等を検討していただきたい。
・ 普通教室については、夏季・冬季の日射や放射冷却に対する工夫を施すよう配慮していただきたい。
・集会室については、オープンな利活用ができるよう配慮していただきたい。
・コンピュータ室の配置や機能については、「新学習指導要領」における情報教育の実現性の観点から、学校との協議を十分行ったうえで進めていただきたい。
・ワークショップの開催や生徒の参画等については、学校との協議を十分に行ったうえで、実施していただきたい。
 佐藤工業グループ(代表企業=佐藤工業、構成企業=タカノ建設、北陸電気工事、梓設計、ビートープ、ホクタテ、魚国総本社、協力企業=コクヨ北陸新潟販売)

hokuriku