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北陸工業新聞社
2018/10/31

【富山】「コミュ力生かし活躍を」/県立大女子学生が現場見学/県建設業協会/女性技術者と初の意見交換会も 

 富山県建設業協会は29日、県立大学の女子学生を対象とした建設現場見学会を開いた。実際に女性技術者が活躍する北陸地方整備局富山河川国道事務所発注の砺波、小矢部両市の現場を見て回り、建設業に理解を深めた。
 県からの委託事業(もっと女性が活躍できる建設業支援事業)として初めて開催。この日は、環境・社会基盤工学科の1年生から4年生の41人が参加。岡部が施工する「庄川・柳瀬護岸災害復旧その2工事」(砺波市柳瀬)と射水建設興業が施工の「小矢部川・西中野堤防強化工事」(小矢部市西中野)を順に見学した。
 庄川・柳瀬護岸災害復旧その2工事では、現場代理人・監理技術者を務める高見るみ子氏が説明に当たり、ICT技術としてドローン操作などを体験した。
 小矢部川・西中野堤防強化工事の現場では、監理技術者の金塚歩美氏の案内で現場のほか、女性専用の快適トイレなども見学した。
 その後、小矢部市農業環境改善センターに移動し、高見、金塚の両氏に岡部の小田由紀土木部係長も加わり、女性技術者3氏と女子学生による意見交換会が行われた。はじめに金塚氏が工事を受注してから完成までの一連の流れを説明した後、「子育てだけでも大変だが、私は人との関わりも含めて現場が好きで、子どもを持ってからも一人の技術者として誇れる仕事が続けられることがうれしい」と話し、「コミュニケーション能力が高いと言われる女性こそ適任だと思う。ぜひ一緒に活躍しよう」と呼び掛けた。
 質疑では、一級土木施工管理技士などの資格取得ついて「現場で日々積み上げる実務経験が大切。学科は短期間で勉強した」とアドバイス。待遇に関しては「施工管理では男女の差はない。資格や技術がボーナスに反映される場合もある」とし、「法律も充実してきているが、会社ごとに育児休暇や時短勤務などの制度を設けており、社内での実績を調べてみては」と答えた。
 参加した学生は「就職先に建設業は考えていなかったが、イメージと全然違った。選択肢に入れたい」、「見学会に参加したことはあったが、はじめて女性の方から直接話が聞けて本当に良かった」と感想を話した。建設会社に内定している学生からは「体力では男性に及ばないが、技術や几帳面さを生かして、がんばりたい」との抱負も聞かれた。

hokuriku