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福島建設工業新聞社
2018/11/01

【福島】木戸ダム/水力発電で公募開始

 県は、既設の木戸ダム(楢葉町)に、民間の資金力、ノウハウを活用した水力発電事業を導入するため、事業者の公募手続きを始めた。
 事業者が事業資金の調達から施設の調査設計・施工、電気事業者への系統連系等の手続き、運転・維持管理までを包括して行うPFIの一形態。最長20年の契約とし、契約期間終了後は県が施設の無償譲渡を受けるか、事業者が設備を撤去する。事業者は契約期間中の売電収入等により初期投資を回収、ランニングコストを賄うとともに収益を得る。木戸ダムの管理費は年間約5000万円かかっており、事業では売電収入から管理費の一部に充当。県と事業者の利益の割合も提案に含めて評価する。
 県営のダムでは、四時ダム(いわき市)で同様の手法によるESCO事業を取り入れている。四時のESCOは、電気量の一部を賄うなど省エネ化が主体だが、木戸はダムの高低差(落差)が四時の約50bと比べ93bと大きく、より大きな収益が期待できるため、水力発電事業として実施する。最大出力は四時の470`hに対し、木戸では1000〜2000`hの間が期待できるという。
 事業者は、単独または複数事業者グループによる公募とする。応募者は提案提出後、特別目的会社(SPC)等を設立することもできる。
 事業者(優先交渉権者)の選定は@技術提案(発電量、売電予定額、工事中の対応、契約終了時の対応等)A資金計画B維持管理計画C地域貢献―等で評価する。地域貢献では、事業者利益の一部を地域活性化のための事業に活用するなどの提案を想定する。配点ウエートも、地域貢献や県への利益配分等を大きくしている。
 年間を通じた水量の変動もあるため、合理的な発電設備の規模、性能の設定なども評価ポイントになる。
 参加資格は、過去20年内の同種・類似業務実績(ダムまたはダム以外における水力発電設備の工事)のほか、事業の各役割に応じ@設計=技術士(建設か電気電子、機械)資格者所在A建設=提案内容に該当する建設業許可、主任・監理技術者の選任B建設、運転・維持管理=第1種ダム水路主任技術者の確保、第3種以上の電気主任技術者の配置―を条件付けている。
 参加表明書等の受け付けは28日まで(必着)。資格確認の上、12月10〜13日に現地で現場説明を実施。12月10日から翌1月18日まで提案書を受け、1月24〜31日のヒアリングで最優秀・優秀提案各1者を選定する。結果公表は2月8日を予定。
 優先交渉権者との詳細協議による事業化の可否判断を経て、32年2月ごろに契約を締結。34年度中の発電開始を目指す。
 審査は庁内関係課長等による委員会が当たる。
 事務局は県土木部河川整備課024(521)7487。