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北陸工業新聞社
2018/11/08

【石川】金沢市が除雪体制強化/昨冬の大雪教訓に出動基準を引き下げ/主要道路15cm以上で、排雪場も追加/除雪業者は4割増に 

「積雪に備え万全を期したい」と語る金沢市の坂本敦志道路管理課長 
 今年2月、北陸地方は記録的な大雪に見舞われ、金沢市では17年ぶりとなる80センチ超えの積雪を観測。連日降り続く雪に除雪作業が間に合わず、市内の交通機能はマヒし、人々の日常生活に大きな打撃を与えた。市は昨冬の大雪を教訓に道路除雪の課題を改めて整理。道路除雪計画の見直しを行い、除雪体制を強化した。市の除雪作業をまとめる坂本敦志道路管理課長に強化のポイントを聞いた。

 除雪路線を強化(出動基準の引き下げ)
 「第1次路線(幹線道路)は公共交通重要路線や緊急性の高い公的機関などを優先し、概ね積雪10センチで出動する。現行積雪20センチ以上で委託業者に除雪を発注していた第2次路線(山間部)、第3次路線(北陸本線より山側の平野部)、第4次路線(北陸本線より海側の平野部)を第2次路線(地域における主要な道路)に統一し、概ね積雪15センチ以上で気象状況に応じ出動することに見直した。これまでは山間部と平野部で降雪状況や積雪状況が違うことからエリア分けをしていたが、今後は第2次路線にまとめ、道路監視カメラや積雪センサー、パトロールなどで職員が状況を確認して出動する」
 排雪場を追加
 「排雪場を前年度から3カ所増やし8カ所とした。また、雪害対策本部が設置された場合に限り、市民一斉除雪デーの排雪場として、市内の小学校7校と大規模な都市公園10カ所、街区公園を町内の雪置き場として活用してもらう」
 除雪業者の掘り起こし
 「除排雪業者については道路雪害対策検討委員会の提言を受け、掘り起こし作業を行い、業者数は前年比約4割増(127社→約177社)、除雪機械台数は約2割増(486台→約576台)、除雪機械のオペレータ数も約2割増(542人→約650人)となった。引き続き掘り起こしを行い、それぞれ増やしていきたい」
 除雪活動への支援強化
 「市民による除雪活動への支援については消雪装置の設置費補助、除雪機械や消雪用水中ポンプの購入費補助、水道水の家庭用消融雪の割引などを実施しており、今年度から新たに町会での市道除雪に対する補助制度(雪害対策本部設置期間中のみ)も創設した」
 情報提供について
 「市道の総延長は2182キロに及び、全線すべてを除雪することは困難であり、市民の皆さんの協力が不可欠。市民の皆さんには新聞広告・広報、テレビやラジオなどの広報活動を通じ、除雪協力を呼び掛ける。金沢積雪情報の積雪センサーによる積雪量の情報や道路監視カメラによる路面状況のほか、排雪場の開設状況や地区ごとの除排雪業者の情報も提供する」
 国や県との連携
 「全世帯へ除雪に関する啓発チラシと除雪路線の概要版を配布する。さらに国、県、市町が連携し、大雪時には雪みちネットワーク路線について迅速かつ優先的に除雪を行い、幹線道路およびその代替路線を確保する。また、一昨年度に策定した市雪道歩道ネットワークにおいても国、県、市が協力して歩道の除雪を行い、大雪時における歩道の交通網を確保する」
 雪国マナーの向上へ
 「全世帯に配布する啓発チラシには市除雪作業本部からのお願いとして、路上駐車の自粛をはじめとする除雪路線におけるマナー向上のためのお願いを掲載している。これらについては、金沢建設業協会や金沢建設防災協会など、除雪に実際関わる方々との意見交換の結果を反映したもの。各機関での周知をお願いしたい。こうした雪国マナーの向上を図るとともに、町会連合会や学生雪かきボランティアなどの支援団体の協力を得て、まちぐるみの除雪に取り組んでいく」

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