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建設経済新聞社
2018/11/13

【京都】鉄道館ポッポランドのあり方 検討委が機能分散設置を提言

 今年3月31日に休館した福知山鉄道館ポッポランド(福知山市下新32/1号館。SRC造5階建、延1630・67u)のあり方を検討してきた検討委員会(委員長・杉岡秀紀公立大学法人福知山公立大学准教授)は9日、これまでの論点をまとめ、提言書の素案として示した。
 提言書の素案によると、リニューアルコンセプトは「みんなでつくる まち全体が鉄道のまち ポッポランド」。これまで1号館と2号館の隣接する2拠点だったが、鉄道をキーワードにまち全体を周遊してもらう仕掛けをつくるとし、ポッポランド0〜5号館構想を掲げた。
 現行のSL動輪、Nゲージ(ジオラマ)模型、旧国鉄・北丹鉄道資料の展示、プラレール広場の確保、定期ミニSL乗車会などは継承し、新たに「現JR・WILLERに関する資料の展示」「『撮り鉄』参加型展示スペース」「旧国鉄・北丹鉄道ビデオライブラリー・AR」「バッテリーカー・模型電動車の設置」「カプセルトイガチャガチャの設置」「スタンプラリー(市内・市外)」「昼食・カフェスペースの確保」「駅弁や記念グッズの販売」「授乳室・オムツ交換スペース、休憩室の確保」の機能を付加することを提言した。
 ポッポランド0号館は福知山南口公園(管理者は福知山市)とした。SL動輪、Nゲージ(ジオラマ)模型などメインとなる1号館は丹波生活衣館展示スペース(管理者は福知山市)とした。2号館は現行通り広小路通り(管理者は福知山市・ポッポランド運営委員会)とした。旧国鉄・北丹鉄道ビデオライブラリー・ARなどが入る3号館は青少年科学館サイエンスシアター・青少年科学館談話室(管理者は福知山市・緑化協会)、バッテリーカー・模型電動車を設置する4号館は青少年ホーム横グラウンド(管理者は福知山市)、5号館は西駅公園(管理者は福知山市)とし、それぞれに機能を分け分散設置する。
 事業主体は公設民営が望ましいとした。
 資金調達については、初期投資として移転費用、修繕費用、Nゲージの修理費用がかかるが、これらを全て税で賄うのではなく、ふるさと納税やクラウドファンディング、ソーシャルインパクトボンドなどを活用し、市民やポッポランドのファンからもお金を集める仕組みが必要とした。
 運営費についても、これまでのような委託金による運営(収入ゼロ)ではなく、有償化できる部分は有償化し、入場料(100円程度)や乗車料金徴収(100円程度)、カフェ売上、物販、スペース賃借料などにより、独立採算を目指すのが望ましいとした。カフェや物販する場所はネーミングライツ(命名権)など広告収入を得る仕組みなども検討に値するとした。