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建通新聞社(神奈川)
2018/11/19

【神奈川】川崎市 Park―PFIなど活用へ

 川崎市は、都市公園法などの改正を受けて、都市公園条例などの一部を改正する。創設された「公募設置管理制度(Park―PFI)」を活用するため▽建ぺい率の緩和▽占用料の設定―を行う他、保育所その他の社会福祉施設について占用料を設定する。また、条例改正に伴い都市公園の占用許可に関する審査基準を改正。Park―PFI関係では、「利便増進施設」として自転車駐車場や、看板・広告塔を位置付け、その占用許可の審査基準の考え方などを定める。条例の一部改正議案を12月の市議会定例会に提出し、年内の改正・公布を目指す。併せて審査基準改正を行う。
 都市公園の再生・活性化を目的として、昨年6月に都市公園法および同施行令が一部改正され、Park―PFIが創設された他、公園内で保育所やその他の社会福祉施設の占用が可能となった。これを受けて、川崎市でも公園のにぎわい創出や魅力の向上、効率的・効果的な維持管理に向けてPark―PFIを活用する方針だ。
 基本的には、公園の再編整備を行う際に民間のノウハウを活用し、効率的、効果的な整備、管理運営を行う。近隣公園など一定規模以上の公園や、主要駅近郊など立地特性に優れた公園を中心に多様なニーズを踏まえた取り組みを実施する。公募対象公園施設は、公園の魅力向上、地域ニーズに沿ったにぎわいの創出が図られるとともに、財政負担の軽減につながるものとする。今回の条例改正では、公募対象公園施設である建築物を設ける場合、建ぺい率を原則2%に加え10%を限度に上乗せできるようにする。
 また「利便増進施設」である自転車駐車場、看板・広告塔については条例で占用料を設定。「都市公園の占用許可に関する審査基準」を改正して、利便増進施設として位置付ける。占用事業者は公募により選定し、占用許可の期間は10年を上限とすることとする(ただし、事業の期間の範囲内で更新を可能とする)。
 一方、保育所や、その他の社会福祉施設については、地域課題解消、地域コミュニティー形成に向けて公園本来の機能を損なわない範囲で占用を認めるよう改めるとともに、条例で占用料を設定する。占用者は市または公募により選定した者とし、公園の立地条件、広さ、利用状況などで制限を設ける。例えば、総合公園(標準10〜50f)や地区公園(標準4f)については、公園面積が比較的広く、建築物の占用を認めても一定の広場面積の確保が可能。近隣公園(標準2f)は、一定の規模はあるが、利用者や管理への影響を考慮する必要があるとする。
 占用物件の規模(付帯施設を含む)については、敷地面積が公園全体の広場の面積の30%以内、延べ床面積が建築物の延べ床面積50%以内とする。
 Park―PFIの活用に向けて、建ぺい率の緩和については今年7月現在、政令市19都市のうち13都市が参酌基準の通り10%上乗せで条例改正済み、6都市が改正を検討中。利用増進施設の占用料の設定は、3都市が改正済みで、16都市は未改正(既存条例で対応を含む)。Park―PFIの事例としては、北九州市が勝山公園で飲食・物販を行う便益施設(建築面積199平方b)などの整備に導入し、今年7月から供用開始した。また、名古屋市も久屋大通公園で▽物販、飲食、サービス業の施設(建築面積5400平方b)▽園路、広場、テラス、水盤、トイレなど▽自転車駐車場、看板―の整備に導入し、2020年の供用開始を予定している。
 公園内への保育所、その他社会福祉施設の設置例を見ると、東京都港区が12月に港南緑水公園内に認可保育所を設置する他、来年以降に東京都日野市、福島県田村市が設置を予定している。

提供:建通新聞社