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建通新聞社(東京)
2018/11/27

【東京】都検討会 マンション適正管理の枠組み最終まとめ

 東京都のマンションの適正管理促進に関する検討会(座長・齊藤広子横浜市立大学教授)は11月26日に開いた会合で、分譲マンションの適正な管理につなげるための「制度の基本的な枠組み」を最終的に取りまとめた。建物の老朽化と居住者の高齢化という“二つの老い”が進行する中で、管理状況の届け出の義務化などを規定した新たな条例を制定するよう求めるとともに、届け出の誘導策の検討や、安全で良質なマンションストックの形成に関する中長期的な目標の設定などを都に求める内容。都はこれを踏まえて年度内に制度の内容を固め、条例化に向けた取り組みを進める。
 「東京におけるマンションの適正な管理の促進に向けた制度」では、まず、行政(都)と管理組合、事業者の責務・役割を明確化。このうち都の役割については、マンションの適正管理を促すために必要な施策に取り組むこととし、施策を推進するための総合的な計画と、マンション管理に関わる者が適正な管理を行う際の基本指針を策定するよう求める。
 管理状況を適切に把握し、それに応じた支援を着実に行うための具体策として、新たな条例の創設を提案。「管理状況届出制度」として、1983年の区分所有法改正以前に建設された6戸以上の分譲マンションを対象に、管理組合などからマンションの管理状況などについて5年ごとの届け出を義務付ける。
 この制度では、管理不全を防ぐための必須事項として、管理組合が▽管理組合の運営体制の整備▽管理規約の作成・保管▽総会の開催▽管理費・修繕積立金の設定▽計画的な修繕の実施―を確認し、行政に届け出る。適正に管理するために必要な取り組みとして、▽適正な期間の長期修繕計画の策定と、必要に応じた見直し▽滞納対応に関するルールの設定▽空き住戸の割合または戸数の把握▽賃貸化住宅の割合または戸数の把握▽耐震化の取り組み―なども把握するようにする。
 都は、届け出がなかった場合、督促・指導を行うとともに、管理組合などの協力を得て必要な調査を実施して管理不全の兆候が疑われるマンションを把握。管理組合の運営に対する相談・支援や、マンションの適正管理・社会的な機能向上に関する情報の提供、改善が見られないマンションに対する指導などを行うこととする。
 また、条例の制定に当たり、1984年以降に建設されたマンションや5戸以下のマンションなどに届け出を求める場合には、その基準を指針などで定めて明らかにすることや、区市町村との役割分担を協議・調整することに留意するよう求める。管理組合に対する届け出の誘導策についても触れ、届け出をすることが管理組合のモチベーションにつながるよう、優良な管理が行われているマンションを評価するような仕組みについても提案している。

提供:建通新聞社