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建通新聞社(東京)
2018/11/30

【東京】都水道局 運転管理に複数年契約、総合評価導入へ

 東京都水道局は11月29日、運転管理作業の委託契約を巡る談合の疑いに関して都の特別調査チームがまとめた中間報告書を公表し、同局職員が2010〜13年度の間に複数回にわたって受託事業者に対して翌年度の設計単価情報を漏えいしていたことを明らかにした。会見した中嶋正宏局長は「情報漏えいはあってはならないこと。都民に対して心よりおわびする」と述べるとともに、再発防止策として排水処理作業委託(業務委託)の手続きを抜本的に見直して入札への新規参入を促し、複数年契約と総合評価方式を導入する意向を示した。
 公正取引委員会が談合の疑いがあるとみて調査しているのは、同局の7浄水場を対象とした「浄水場排水処理施設運転管理作業委託」で、浄水処理の過程で発生する沈殿物を脱水処理する機械の運転管理を行う業務。特命随意契約だった契約方式を01年度に指名競争見積もり合わせ方式に移行しているが、各浄水場とも受託事業者は現在までほぼ同一(7浄水場を3社が受託)となっている。
 大規模な施設の運転管理を行うため、業務を習熟した複数の作業員が必要になる。しかし、同業務は単年度契約のため、常用で作業員を雇用し業務を習熟させるのは事業者にとってリスクとなり、多くの事業者が入札に参加しにくい状況にある。
 そこで同局では、入札参加条件と発注仕様が新規参入を阻害していないか点検を行い、より多くの入札参加者を確保できるよう必要な見直しを実施する。
 合わせて常駐作業員の雇用の安定確保につなげるため、20年度の契約から複数年契約(5年間)を導入するとともに、不良不適格事業者の落札を防止し、価格以外の要素の競争性を確保するため総合評価方式を取り入れる。
 また、委託業務の積算を本庁に一括して積算部門と施行管理部門を切り離すこととし、現場で受託事業者を管理監督する職員が、予定価格や最低制限価格といった厳格管理情報を保持しない形にする。排水処理施設運転管理作業の他、水道施設の維持管理作業など年間約300件程度に適用する。
 さらに、水道局以外の全庁でも同様のリスクがないか点検を実施し、具体的な再発防止策の検討を行う。

提供:建通新聞社