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建設経済新聞社
2018/12/03

【京都】市立芸大及び銅駝美工移転@@基本設計で合計延7万7100u

 京都市は11月30日、市立芸術大学及び市立銅駝美術工芸高等学校移転整備事業に係る基本設計をとりまとめ、公表した。
 基本設計は乾−RING−フジワラボ−o+h−吉村設計共同体が担当。
 3つの地区に分かれたキャンパスに、東山や鴨川などと調和する連続的な屋根や水平に広がる大きな床により「つながり」をつくり、京都の玄関口の京都駅と東山の文化ゾーンを結ぶ新たな拠点となるようデザインした。
 移転予定地は塩小路通南側で鴨川と高倉通に挟まれた地区で、下京区川端町、下之町、東之町、西之町、上之町の敷地面積約3万4600u。鴨川沿いの東側からA地区(約1万2700u)・中間のB地区(約6000u)・京都駅側のC地区(約2万u)の3地区に分けられる。
 芸大と銅駝美工を合わせた合計延約7万7100u。A地区の銅駝美工がRC造一部S造4階建、延約9100u、芸大がSRC造一部S造3階建、延約9300u。B地区の芸大はSRC造一部S造5階建、延約1万u。C地区の芸大はSRC造一部S造地下1階地上7階建、延約4万870u(面積にはテラスやピロティ等の屋外面積約7000uを含む)。
 A地区の銅駝美工は塩小路通側を正門とし、中庭を囲むようにホームルーム教室、特別教室及び実習室を配置することで、日常的に生徒間で刺激を受けつつ、学年・専攻を超えた交流が生まれるよう整備する。3階屋上にグラウンドを整備するとともに、既存体育館(元崇仁小学校体育館)を改修・整備し、大学・高校がともに利用できるものとする。機材・工具を共有化し、分野を超えた創作活動にも対応する共有工房を設ける。鴨川に沿って流れるように屋根をかけ、銅駝美工と芸大を一体感のあるデザインとする。
 B地区は高瀬川沿いのオープンスペースや柳原銀行記念資料館を活用して、創作活動を屋外にも広げ、地域との交流・連携も進められるよう整備。C地区は音楽ホール兼講堂(約800席のホール等)、ギャラリー@KCUA(アクア)、図書館・芸術資料館を整備する。
 A地区とB地区のキャンパスをつなぐ上空通路の設置を検討する。
 C地区は美術品や楽器が保管されるため、免震構造を採用。キャンパスを南北に貫く大通り(芸大通)を設ける。塩小路通から音楽ホール兼講堂のある3階へ、スムーズにアクセスできる大階段を設け、キャンパス内に人の流れをつくる。
 環境面では、大きな庇による日射の抑制や建物の高断熱化により、エネルギー消費量の低減を図る。吹抜けや通りを設けることで、建物内部まで光や風を取り入れ、できるだけ設備に頼らない建築物を目指す。井水・地中熱、太陽光等の再生可能エネルギーの利活用を進めるとともに、熱源の分散化により、高効率で災害に強いシステムを目指す。
 安全面では、十分な構造安全性やバリアフリー、セキュリティを確保したキャンパスとし、避難スペースや非常用発電設備を設け、非常時の備えを充実させる。
 概算事業費は約250億円。このうち銅駝美工は約30億円。今後、実施設計を進める中で具体的に精査し、建物物価や消費税率等を反映させていく。
 今後は2020年(平成32年)3月までに実施設計を完了させ、2020年度(平成32年度)〜2022年度(34年度)に工事(入札期間含む)を行い、2023年度(平成35年度)の供用開始を予定。