トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2018/12/17

【富山】入職促進へ保護者と意見交換/県建設業協会が桜井高校訪問/「学んだ技術を社会で生かして」(竹内会長) 

 富山県建設業協会はこのほど、桜井高校土木科生徒の保護者との意見交換会を、黒部市の同校記念館桜樹で開催した。
 子供の進路をアドバイスする立場にある保護者と意見を交わすことで、建設業の役割や建設技術者の仕事に理解を深めてもらい、入職促進につなげるようと実施したもの。
 この日は建設業協会の竹内茂会長、大橋聡司常任理事・入善支部長、高村克宏理事、牧田潔専務理事ら、県土木部建設技術企画課の阿部雅文主幹、同校卒業生で建設技術者である、大高建設の橋本貴央氏(12年卒)、桜井建設の小竹勝也氏(14年卒)が参加。土木科1、2年生の保護者20名が出席した。
 冒頭、桜井高校の杉原栄校長は、「子供の進路選択の一助にしていただき、家庭で子供たちと話しをしてほしい」とあいさつ。
 一方、竹内会長は、「建設業は地域の発展、生活基盤を支える公共工事を行い、生活する方々の環境を整える民間工事も行っている。インフラの維持や修繕でも重要な役割を担っている。地域の安全・安心の守り手として、地震や集中豪雨による災害発生時には、行政機関と連携し、応急処置や復旧を行うほか、住民の足の確保に不可欠な除雪作業も行う。建設業は、地域社会に欠くことのできない産業であると自負している」と説明。
 さらに、「地元建設業界への入職を希望する若者が減ったため、高齢化が進んでおり、将来に向けた建設技術の継承も困難になるのではと危惧している。このため、当協会では若者の入職促進を図るため、テレビCMやポスターの作成、高校生の現場見学会など、建設業の役割をPRする取り組みを行ってきた。若手の確保に対する需要は依然高く、さらに多くの若者に建設業を志していただきたい」と訴えた。
 最後に、「現在の建設業は昔の3Kとは違う。発注者の理解により賃金は改善され、各社で週休2日や給料の面も努力している。働き方改革として、安全・安心の大前提があり、女性の技術者も育っている。高校で学んだ建設技術の基礎を実社会で十分に生かすため、卒業生の皆さんを業界挙げて歓迎したい」と強調した。
 意見交換会ではまず、建設業の役割や仕事内容を紹介するDVDを放映した後、協会の牧田専務理事が「建設業の現状」、県土木部の阿部主幹が「とやまの土木」をテーマにポイントを解説。続いて、同校OBの橋本、小竹両氏が入職のきっかけ、現在の仕事内容、建設業のやりがいや魅力などを伝えた。
 意見交換では、保護者の質問に回答。高卒で社会人になる場合、人材育成や研修の体制はどういう状況なのかとの問いに対して、大橋氏が「企業にとって人は大切な資源であり、大事に育てている。当社では新入社員の教育法にブラザー制度を導入しており、先輩社員が仕事だけでなく、プライベートも含めて相談に乗り、育成している」と答えた。
 今の若い人は離職率が高いと聞くが、長く仕事を続けるコツはとの質問に対し、若手技術者が、「仕事がうまくできず、辞めたいと思ったことはあるが、次は頑張ろうと気持ちを切り替えている」、「人間関係が良好で、仲の良い先輩からいろいろ教えてもらえるので続けられる」とそれぞれ説明した。
 建設業では資格が重要と聞くが、仕事をしながらでも取得できるのかとの問いに対し、若手技術者が「勉強をしながらの場合もあるが、講習だけで取れる資格もある。会社からの補助や業務の一環としてバックアップもある。働きながらでも資格は十分取得できる」と話した。
 最後に竹内会長は、「地元にも優良な建設企業はたくさんある。学んだことを生かすため、ぜひ地元企業に入職し、頑張ってほしい」と呼び掛けた。
 なお、同校ではこの日、出前講座も開催。会員企業の役員と若手技術者(同校OB)が訪問し、土木科1年生の40名に対して、地域建設業の重要性や建設技術者の仕事内容についてPRした。

hokuriku