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建通新聞社(中部)
2018/12/18

【愛知】名古屋市 伴華楼などの耐震診断を19年度

 名古屋市観光文化交流局は、千種区に所在する揚輝荘の北園内にある伴華楼について、2019年度は対象建築物の耐震診断を進めるとともに修復整備基本計画を策定する考えだ。19年度は耐震診断、20年度にこれまでの調査検討を踏まえて基本計画を策定する工程を見込む。
 伴華楼は、揚輝荘北園内に計3棟ある市指定文化財のうち、建設当時の姿を色濃く残す建築物。1階部が木造と一部鉄筋コンクリート造、2階部が木造で、延べ床面積は235平方b。1929年に新築し、59年に木造2階建て延べ174平方bを増築している。隣接して土蔵(木造2階建て延べ41平方b)がある他、近隣地に鉄筋コンクリート造の蔵(2階建て延べ109平方b)と土蔵(地下鉄筋コンクリート造地上2階建て延べ99平方b)が所在する。
 伴華楼については、17年度に基本調査、18年度は今後の活用方針や公開手法、事業スキームの検討を行っている。19〜20年度の調査で修復整備に向けた準備を整える考え。揚輝荘では、聴松閣の修復整備を12年度までに終えており、施設の修復整備計画を立案するのは伴華楼で2棟目となる。
 所在地は名古屋市千種区法王町2ノ5ノ21。
 揚輝荘は、松坂屋百貨店創始者の15代伊藤次郎左衛門祐民が、大正から昭和初期にかけて建設した郊外別荘の代表作。北園と南園に5棟の市指定文化財を含む歴史的建造物が残る。修復整備済みの南園に聴松閣が所在し、北園には伴華楼の他、三賞亭(茶室)、白雲橋(橋梁)がある。聴松閣は修復公開後、指定管理者制度を導入している。
 19年度当初予算案には、耐震診断と基本計画策定に要する経費として500万円と20年度を期間とする、限度額3700万円の債務負担行為の設定を求めている。

提供:建通新聞社