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建設経済新聞社
2019/01/09

【京都】元六条院小に若松町保育園 S造3階建、延1162u規模

 京都市下京区の崇仁保育所の移管先候補となった社会福祉法人錦会(理事長山羽学天氏、京都市西京区山田中吉見町7−1)が計画する若松町保育園の概要がこのほどわかった。
 西京区の京都市立芸術大学が下京区の崇仁地域に移転するのに伴い、崇仁保育所は現在地から北に約700mの元六条院小学校(下京区若松町420。下京渉成小学校第二教育施設)の一部及び元稚松公園(南側)に移転し、民間事業者による整備・運営を行う計画。
 京都市は民間事業者を公募し、移管先候補法人選定部会で錦会の計画を審査。選定部会は「元六条院小の体育館及び管理棟について、地元利用があることに留意し、さかんな地域交流を想定するとともに、地元の要望に応じて施設を改修する意向を示している」点などを評価した。
 今後市は、保育所条例の改正議案を2月市会に提案し、議決が得られた場合は、新施設の建設及び6月からの引継ぎ・共同保育の実施等を経て、32年4月から市営保育所としては廃止し、移管先候補者に移管の上、移転する。また移管後3年間、市職員を派遣し、移管先候補者の職員とともに保育を行う。
 錦会が市に提出した計画によると、新築建物(保育園)の規模はS造3階建(耐火建築)、延1162・86u(建築面積514・17u/1階床面積254・86u、2階床面積471・00u、3階床面積437・00u)。外壁は押出し成型セメント板、屋根はガリバリウム鋼板縦ハゼ葺き(軒裏は防火セメント板)、内装は床フローリング及び塩ビシート貼り、壁・天井、クロス張り一部木質材使用。
 外観は京都市の景観、また渉成園との調和に配慮し、都市型の落ち着いたデザインとする。各階とも庇を設置し、3階は外壁面をセットバックさせるなど圧迫感を軽減したデザインとする。外構塀には木調の材料を使用するなど、渉成園の景観と調和を検討する。東西に長い建物外壁面の圧迫感を軽減するため、南面には部分的に塀及び花壇を設置する。建物配置は、道路境界より東側は13・5m、西側は4・8m外壁面を後退させる。これにより近接する建物への圧迫感の軽減を図る。全ての保育室が南側の渉成園に面し、全ての部屋で十分な採光を確保する。既存体育館、既存管理棟での会議スペース等の利用も考慮し、新築建物の床面積は最小限とした。既存体育館、既存管理棟が新築建物(保育園)に近接しているため、建物の影など死角が発生することから、防犯カメラ・扉などには電子錠を設置するなどし、セキュリティを確保する考え。
 1階の2歳保育室は面積を大きく確保し、増人数に対応できるよう配慮。2歳児に対応し近接位置にトイレを設置するなど配慮する。
 2階の3・4・5歳児保育室は面積をやや大きく取り、各室にランチエリアを設ける。可動間仕切りにより、異年齢の交流空間とできるよう配置。各最寄りに収納スペースを設ける。
 3階の0・1歳児保育室は横長の配置を最大限に生かし収容人数を確保。全体の距離が長いため、最寄りにユーティリティを設け、迅速に対応できるよう配慮。また各最寄りに収納スペースを設ける。寝台エレベーターの設置で6人乗りベビーカーで3階までアクセスできるようにする。
 厨房は面積をやや大きめに確保し、多様な食事に対応できるようにする。寝台エレベーターで配膳する。
 保育園の外部アプローチはピロティとする。大きなウッドデッキは雨天時の半外部として利用可能。
 南東の隅切部分を低く花壇とし、車両が南側道路へ出る時の視界を確保し、園児の安全を確保する。
 駐車スペースは西側に配置し、子どもの送迎がスムーズにできるよう配慮する。保護者駐車場は8台を確保、駐輪場は20台を確保する。南側道路から外壁面を約4mセットバックし、駐輪スペースと通行可能な部分を確保する。
 玄関アプローチ・西側駐車場などには防犯カメラを設置し、来訪者を管理し、部外者の侵入を防止する。
 階段スペースは大きく確保し、集団での昇降時の事故を防止する。
 1階玄関付近及び園庭を見渡せるよう、受付は建物より張り出した計画。アプローチホール(玄関)はスロープを設置する。一般歩行者の往来を考慮し、花壇などの外構部分も南側歩道境界登園時の混雑の解消を図る。
 園庭は東側に配置する。園庭の計画面積は554・00u。
 150人定員における歳児別の定員イメージは0歳児15人、1歳児27人、2歳児27人、3歳児27人、4歳児27人、5歳児27人。
 当初計画によると、既存施設を使用する場合に耐震改修が必要な元六条院小の管理棟改修費を含め、整備費は約4億円を見込む。
 計画地は京都市下京区河原町通上枳殻馬場上ル若松町420の敷地約1960u。用途地域は近隣商業地域(建ぺい率80%、容積率300%)。
 設計はjam−lab.一級建築士事務所(京都市上京区・075−463−6778)。
      ◇      
 移転先となる元六条院小は、下京渉成小学校の第二教育施設に位置付けられ、教育活動に利用。既存施設は教室棟(平成25年築)、管理棟(昭和14年築)、体育館(昭和4年築)。管理棟はRC造2階建、延390u、体育館はRC造平屋建、326u。元六条院小等の土地(市有地)は、50年の定期借地契約を締結し、市が有償で貸し付ける。また元六条院小の建物は市会で議決後に有償で譲渡する。
 移管対象の崇仁保育所(下京区下之町6−3(幼児棟)、同4−3(乳児棟))は定員140人。崇仁保育所の幼児棟、延905・5u(他の施設との合築施設で保育所は1階の大部分を使用)。昭和41年築)と乳児棟、延750・6u(平成4年築)は移転後に市が解体する。