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建設経済新聞社
2019/01/11

【京都】PFI念頭に台団地建替え 府道の急カーブ改良も検討

 京都府は、府営住宅向日台団地の建替えに向け、学識経験者による懇話会での意見を踏まえ、今後も検討を重ねる。
 向日台団地(向日市向日町北山74他。昭和41〜42年築)は、1号棟から15号棟の計15棟(RC造5階建)で構成し管理戸数は495戸。敷地は廃止予定の向日町競輪場の西側、府道柚原向日町線の南側に位置する。面積は3・7f。用途地域は第1種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)で、高さ規制は15m第1種。
 住棟配置は府道中山向日町線の東側に1〜5号棟及び9〜15棟、西側に6〜8号棟。エレベーターは15棟のうち2棟しかなく、建物の老朽化が進行している。入居率は高く、入居者の高齢化が進んでおり、かねてから抜本的な改善に向け建替えが求められている。
 府は団地建替えにあわせ、高齢者福祉施設や、保育園などの子育て支援施設といった社会福祉施設を併設する考え。団地西側の向日町競輪場駐車場の活用も検討する。
 また府道中山向日町線に急カーブがあることから、法線改良も検討する考えで、地域の課題の解決を目指す。府道西側の住棟を東側に移転し集約する場合の課題などを検討する。
 今年度は府営住宅向日台団地まちづくり懇話会を計2回開き、学識経験者らから意見を聴き、課題を抽出した。
 事業手法はPFI手法の導入を念頭に検討を進めており、懇話会の意見を踏まえ、来年度も課題検討を行う。
 府はこれまでに京都府府営住宅向日台団地民活導入可能性調査業務を市浦ハウジング&プランニング大阪支店(大阪市北区)で実施した。主な業務内容は、@課題及び調査等を踏まえた事業計画等の精査(▽向日台団地の立地条件、法規制等の整理▽向日台団地入居者属性等整理▽子育て世帯向け(4LDK程度)府営住宅等の検討▽多様化するニーズに対応した府営住宅の検討▽併設施設候補の事業成立要件の調査▽併設施設(案)の抽出等▽整備戸数・型別供給数・住戸プラン等の検討▽棟数・配置計画・ボリュームスケッチ・工区計画▽外構計画の検討(駐車場、駐輪場等を含む)▽既存入居者の移転計画の検討▽事業計画の検討及び精査)A精査した事業計画等に基づくVFM等の計算(▽民活事業手法の検討・整理▽事業スキーム(案)の検討▽定量的評価の検討・分析(VFMの算定)▽定性的評価の検討・分析▽事業スキーム(案)の総合評価)B各種リスクの抽出及び適切な官民負担の検討(▽各種リスクの抽出▽適切な官民負担の検討)C民間企業(金融機関を含む)の意向調査(▽民間ヒアリングの実施▽地元建設業者等の参画に向けた検討)Dその他(@〜Cまでの検討結果を踏まえ、概算工事費、事業スケジュール、事業実施上の課題等を明記した上で調査結果をとりまとめ)。
      ◇      
 府営住宅の団地建替えでは、宇治市槇島町の槇島大川原団地のPFI事業において、まちづくり懇話会を設置した事例がある。
 府は20年11月にまちづくり懇話会を設置。21年3月に宇治市へ保育園用地として敷地の一部を有償譲渡(その後、23年4月に社会福祉法人心華会が保育園を開園)。21年7月にまちづくり懇話会が提案書を提出した。
 その後、23年度に基本設計に着手、24年度に実施設計に着手し、24年12月から建設工事にとりかかり、26年5月に完成させた。
 規模はRC造6階建、延約1万0300u。府営住宅は3DK60戸(うち子育て世帯向けの専用住宅30戸)、2DK60戸、2K30戸の計150戸。このほか認知症高齢者グループホーム(約440u、定員18人)、知的障害者グループホーム(約200u、定員6人)、小規模多機能型居宅介護等施設(約230u)など。総事業費は約24億円。