トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(東京)
2019/01/17

【東京】都 敷地内に新施設、葛西臨海水族園基本構想を策定

 東京都建設局は「葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想」を策定するとともに、新たな水族園の実現に求められる施設要件などを専門的な見地から検討するための「事業計画検討会」を設置し1月30日に初会合を開くことを決めた。現在の敷地内に新たな施設を建設して水族園機能を移すことを基本とし、同検討会で具体的な規模や整備手法について、ライフサイクルコストや官民連携手法と併せて検討する。
 新たな施設は「海と接する機会を創出し、海と人とのつながりを通じて海への理解を深める水族園」を理念とし、機能を▽調査・研究▽収集・飼育・繁殖▽展示・空間演出▽レクリエーション▽学習・体験▽環境保全への貢献―の六つに再構築する。
 施設性能や管理運営の検討に当たっては「誰もが使いやすく魅力的な施設」「機能を発揮させるための性能」「メンテナンス性能の確保」「環境負荷の低減」に留意する。
 老朽化している既存施設については、技術的にもコスト的にも大規模改修などが困難なため、現在の水族園の敷地内(江戸川区臨海町6、敷地面積約8万6000平方b)に、新たな施設を建設し、完成後に機能を移転する。
 施設整備の内容や手法を絞り込むために設置する「葛西臨海水族園事業計画検討会」は、学識経験者や葛西臨海水族園長、都建設局職員ら16人で構成。新たな水族園像の実現に求められる施設の要件について、維持管理・運営などのライフサイクルコストや官民連携手法と併せて専門的見地から検討する。
 検討に当たっては、あらゆる人々が使いやすいようなアクセシビリティーに考慮するとともに、来園者が滞留しにくい動線、団体利用がしやすい規模の確保、六つの機能を発揮させるために必要となる水処理設備や飼育・繁殖・検疫などの性能、フレキシブルな使い方といった点に配慮する。
 葛西臨海水族園の既存施設は鉄骨鉄筋コンクリート造3階建ての本館など延べ床面積1万5780平方bの規模。開園から30年近く経過して建物や設備の老朽化が進行し、バリアフリーにも十分に対応できていない。大規模改修も選択肢の一つだったが、建物の外壁面を解体しないと設備の更新ができないなど技術的な課題が多く、改築することを決めた。

提供:建通新聞社