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建通新聞社(東京)
2019/01/25

【東京】都水道局 人口・需要減踏まえ施策展開の方向まとめ

 東京都水道局は、将来的な人口と水道需要の減少を見据えた今後の施策展開の方向を打ち出した。大規模浄水場の更新については、コンクリート構造物の予防保全型管理により約60年に設定している更新期間を「約90年」に延ばすことで、年間平均の事業費を約60億円抑制するとともに、需要規模に見合った施設規模にダウンサイジングする。管路の更新は、重要施設への供給ルートの耐震継手化と取り替え困難管の更新を2022年度までに完了させ、23年度以降は、被害想定で断水率50%超を見込む取り替え優先地域での耐震継手化を重点的に進める。災害対策では、大学などの重要施設ルートの耐震化目標年次を前倒し、22年度に全て完了させる。40年代を見据えた事業運営の在り方についても検討し、長期的な事業運営方針を19年度に策定する。
 浄水場の更新は現在、主構成であるコンクリート構造物の法定耐用年数60年を目安に設定して計画を策定している。安定的な給水を確保しながら、長期にわたる更新工事を計画的に推進していくため、コンクリート構造物の予防保全型管理を行って更新期間を約90年に延ばすことで、約260億円と試算していた年平均事業費を約200億円に縮減する。その際、将来の水需要を考慮し、施設を適正な規模に縮小する。
 老朽化した管路の更新では、口径の小さい配水小管の耐震継手化について、重要施設への供給ルートの整備を22年度までに完了させ、引き続き取り替え優先地域での整備を重点的に実施し、22年度までに完了させる。口径の大きな配水本管は、経過年数や老朽具合を踏まえて耐震継手化を進める。他のライフラインが近くにあるなど取り換えが難しい箇所に広範囲・小規模に点在している取り替え困難管は、漏水発生の際の影響が大きい路線を優先して更新する。
 これらの取り組みと併せ、ダクタイル鋳鉄管の供用年数を配水小管で50〜80年、配水本管で60〜90年(外側にさびにくいポリエチレンスリーブを被覆した場合は配水小管で80年、配水本管で90年)に延ばす。年間事業量として、配水小管は28年度まで延長約350`、配水本管は延長約21`(合計約371`)を想定。29年度以降は配水小管は延長約280`、本管は延長約22`(合計約302`)とする考えだ。
 災害対策では、浄水・配水施設と管路の耐震化を推進する。浄水施設の耐震化(17年度の耐震化率54%)は24年度までに全て完了させ、配水池の耐震化率(同71%)も25年度に99%まで引き上げる。管路については、大学や高校など避難所となる重要施設ルートの耐震継手化(同46%)の整備目標年度を前倒し、22年度に完了させる。
 さらに、都の人口推計に合わせ、2060年までの水道需要や施設整備、業務運営体制、財政収支を推計し、今後約20年間を期間とする長期事業運営方針を19年度に策定する。

提供:建通新聞社