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建通新聞社(神奈川)
2019/01/28

【神奈川】横浜市 来年度の施設等整備に4559億円

 横浜市は1月25日発表した2019年度当初予算案に、総額4559億円の施設等整備費を盛り込んだ。工事が最終年度の新市庁舎整備や市民病院再整備、10月着工を目指す新本牧ふ頭の整備などを受け、前年度に比べ14・1%の増。市営住宅「瀬戸橋」の建て替えや松風学園再整備、東部方面斎場新設、小学校3校の建て替えに伴う設計を新たにスタートさせる他、新教育センターと新ごみ焼却工場の構想立案などを進める。旧上瀬谷通信施設の土地区画整理事業に関わる基本設計、高速鉄道3号線延伸の計画深度化などにも取り組む。
 会計別の施設等整備費は▽一般会計=2486億円(2・2%増)▽特別会計=460億円(72・3%増)▽公営企業会計=1612億円(24・4%増)―の内訳で、新本牧ふ頭や市民病院再整備などの事業費を計上する特別会計、公営企業会計の伸びが顕著。予算の全体規模は▽一般会計=1兆7615億円(2%増)▽特別会計=1兆3281億円(2%増)▽公営企業会計=6151億円(8・8%増)―の合計3兆7048億円(3・1%増)となっており、事務事業の見直しなどに加え、緑区十日市場22街区(17億円)や南区総合庁舎跡地(13億円)の売却益活用でも財源を確保した。

 ―新本牧、地盤改良等に84億円―

 新本牧ふ頭(中区)の整備は基部の約40fを市施行の第1期地区とし、本牧沖公有水面をリニア中央新幹線のトンネル掘削土砂などで埋め立てて土地を造成する。護岸とインフラの整備に900億円を投じる計画。4〜9月の埋め立て免許取得手続きと10月の着工に向け、地盤改良などの経費84億8000万円を予算化する。
 市営住宅「瀬戸橋」は金沢区にある4棟124戸で、1962年度に建設。18年度に金沢区内の「六浦」(4棟94戸、64年度)や「瀬ケ崎」(2棟56戸、64年度)とともに建て替えの基本計画を検討し、それぞれ現地建て替えの方向性を整理しつつ、最も古い瀬戸橋の基本設計を19年度に始めることになった。「ひかりが丘」(旭区)の住戸内改善設計・工事、「野庭」(港南区)の建て替え基本構想の継続検討(2000万円)などを含め、市営住宅関係で18億8300万円を確保する。
 松風学園(泉区)は知的障害者生活介護施設で、18年度に居ながら改修の設計を予定。ただ、電気系の老朽化が著しく、工事中の入居者の負担も大きいことから、改修と一部建て替えに手法を変更して19年度に再スタートを切る。1億0300万円で改修設計と既存の解体など、3300万円で入所施設の設計を行う。
 
 ―東部斎場、建て替え3校も基本設計―
 
 東部方面斎場(鶴見区)は延べ床面積約2万平方bの施設に火葬炉16炉や告別・収骨スペースなどを設ける。18年度の基本計画策定作業を通じて公共発注方式で整備する方針を固めた。事業費約180億円。19年度に基本設計などの経費6億9000万円を予算化する。23年度の着工、25年度の供用開始が目標だ。
 学校建て替えは池上小学校(神奈川区)、榎が丘小学校(青葉区)、勝田小学校(都筑区)で基本設計を始めるとともに、新たな建て替え校を3校選んで基本構想の検討に乗り出す。先行する上菅田小学校(保土ケ谷区)、都岡小学校(旭区)、汐見台小学校(磯子区)の実施設計などを含め4億8200万円を計上する。学校関係には緑園義務教育学校の工事(6億円)、特別営繕(151億6200万円)、体育館への空調設置調査・検討(500万円)などもある。
 新教育センターの基本構想策定に1000万円、新ごみ焼却工場の基本構想(規模・性能の検討など)には2300万円を充当。劇場整備でも3000万円を予算化し、有識者の検討委員会を立ち上げて施設の位置付けや整備の在り方、事業手法などを探る。
 旧上瀬谷通信施設(瀬谷区・旭区、242f)は19年度早期の土地利用基本計画策定などを経て、市施行区画整理の基本設計に着手する。周辺道路や新たな公共交通の検討などを含め9億5080万円を計上。根岸住宅地区(中区・南区・磯子区、43f)の跡地利用検討や旧深谷通信所(泉区、77f)の環境影響評価、小柴貯油施設跡地(金沢区、53f)の公園基盤整備なども合わせ、米軍施設の跡地利用に23億5300万円を投じる。
 高速鉄道3号線延伸(青葉区〜川崎市麻生区)は1月23日に事業化を決定。川崎市内区間の東側を通す延長6・5`、概算事業費1720億円の案を有力視する中、ルート固めを見据え4800万円をかけて概略設計や航空測量などを実施していく。

提供:建通新聞社