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北陸工業新聞社
2019/01/29

【石川】「職人の手仕事に美あり」/JIA30周年記念シンポ/ディテールや/質感の追求も 

 JIA北陸支部30周年記念シンポジウム「地域と建築」が26日、金沢21世紀美術館で行われ、これからの時代の建築のあり方などで意見を交わした。
【1面に本記】
 はじめに30周年記念実行委員長の浦淳石川地域会長が「北陸新幹線開業で大きくインフラが整ってきたが、これまで新幹線が無かったため、いろんなストックが残ったともいえる。今回の地域と建築展では、我々が北陸の環境や地域性をどう読み込んできたかを紹介しているが、さらにこれからの地域の建築を考えていきたい」とあいさつ。
 まず、3人のパネラーが順にプレゼンテーションし、東京藝大大学美術館長・教授および練馬区立美術館長、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会文化・教育委員会委員の秋元雄史氏が直島で15年間携わったアートプロジェクトなどについて、建築家でSANAA代表、西沢立衛建築設計事務所代表、横浜国大大学院Y−GSA教授の西沢立衛氏が多中心的世界や日本建築の歴史から建築論を披露。文化庁地域文化創生本部研究官の朝倉由希氏は、土着の地域文化の可能性やポテンシャルなどを紹介した。
 引き続き、建築家で金沢工大教授の竹内申一氏をモデレーターに迎え、3氏によるパネルディスカッションが繰り広げられた。西沢氏が金沢21世紀美術館の設計プロポーザル時を振り返り、「敷居が低く、普段着で来れる美術館という端的で分かりやすいコンセプトで、街・通り・商店街的で散策できるイメージが提示された」と述べ、秋元氏が同館2代目の館長として赴任し、「伝統と現代がスパークし、生きた姿があった。工芸にも出会うことができ、直島の経験にプラスされた」と振り返った。朝倉氏はUターンしたふるさと福井・一乗谷について「謙遜するのではなく、グローバルな視点、多様性のある感受性が必要」と指摘した。
 今後の建築で西沢氏が「CADの世界、既製品の組み合わせだけでは、建築からディテールが失われていく。乾式よりも湿式の方が面白い」と述べ、秋元氏も「カタログから引っ張ってくるのでは、クオリティーが均質になる。大量生産型がどこまで続くのか、質感をどうするかが大切」とした。朝倉氏は「日本では、職人の手仕事に美があるといわれてきたが、なぜそれが失われてしまったのか。資本主義の中では均質化は止まらない」との認識を示した。
 シンポジウム、記念式典に続き、同美術館内カフェレストランフュージョン21で懇親会が開かれ、参加者は30周年を祝った。
 まず、高屋支部長が「関係団体、3県の協力会員など多くの人の支援に感謝したい」とあいさつ。来賓として谷本正憲知事が「優れたまちづくり、景観形成は建築家の双肩にかかっている。その責任をこれからも担って欲しい」と祝辞を述べた。石川地域会協力会の山岸晋作会長が「私たちは建築家のものづくりを支えるサポーター。これからもしっかりと一致団結していきたい」と述べた後、乾杯の発声を行い、歓談に入った。アトラクションとして、モーニングウエストの演奏が披露された。
 来賓・役員として、矢田義典東海支部長、水野一郎北陸支部参与、出田吏市福井地域会長、濱田修富山地域会長があいさつし、浦実行委員長(石川地域会長)が閉会の言葉を述べた。
 このほか、「JIA全国支部長会議IN冬の金沢建築ツアー」が27日に行われた。
 一行は、いしかわ総合スポーツセンター(設計=池原義郎建築設計事務所)をはじめ、金沢海みらい図書館(同=シーラカンスK&H)、金沢港大野からくり記念館(同=内井昭蔵建築設計事務所)を訪れたほか、大野ヤマト醤油の工場も見学した。

hokuriku