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日本工業経済新聞社(茨城)
2019/01/28

【茨城】水戸市がPark―PFI検討/千波公園などで



 水戸市は、都市公園の整備や管理、運営に民間の資金やアイデアを活用する公募設置管理制度「Park―PFI」(パーク・ピー・エフ・アイ)の導入を積極的に検討する。都市公園の総合的な計画である「緑の基本計画」を改正し、パーク・ピー・エフ・アイを計画に位置付ける。この制度では、民間資金により都市公園内にコンビニやカフェ、レストラン、ホテルなどの収益施設を整備し、民間事業者の資金を公園の再整備に当てることができる。市は千波公園など大規模で有名な都市公園を管理しており、パーク・ピー・エフ・アイの導入によって公園管理者である市の財政負担の軽減と新たな民間施設によるにぎわいの創出を検討する。

 パーク・ピー・エフ・アイは、2017年6月の都市公園法の改正施行により、民間活力による新たな都市公園の整備手法として創設された。市によると、名古屋市の久屋大通公園で飲食・売店などの整備事業が始まったほか、北海道恵庭市でホテルの整備が開始されるなど全国11公園で取り組みがあり、さらに100を超える公園で制度活用が検討されているという。
 水戸市の都市公園は16年7月時点で140カ所、合計303・58haで、1人当たりの面積は11・2haで全国平均を上回っている。一方で、これらの都市公園は開設から10年〜30年以上経過しているのが大半で、維持管理費の増加や施設の更新・再整備が課題になっている。
 そのため公園の整備に当たり、利用者へのサービス向上や利用者の快適性を高めようとパーク・ピー・エフ・アイなどの民間活力の導入を検討することを緑の基本計画に位置付けることにした。
 基本計画の改正案ではパーク・ピー・エフ・アイについて、都市公園に民間の優良な投資を誘導し、公園管理者の財政負担を軽減しながら都市公園の質の向上、公園利用者の利便の向上を図る整備・管理手法であり、この制度など民間活力の導入を積極的に検討する。
 パーク・ピー・エフ・アイの導入については、昨年12月の市議会代表質問で袴塚孝雄議員が「交流人口を増やしていくためにも、千波公園など公園の利活用に関する民間活力導入の可能性」について質問。
 高橋靖市長は「偕楽園と一体となった千波公園は多くの市民に愛され、多くの観光客が訪れることから、官民連携のポテンシャルは非常に高いと思っている。市の緑の基本計画に官民連携による魅力向上を位置付け、先進事例を参考に、千波公園など一定規模以上の公園を対象に民間事業者参入の可能性について調査を進めてまいりたい」と答弁している。
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 そのほか基本計画の改正案には、新たに市民緑地設置管理計画の認定制度を盛り込んだ。使い道が失われた民有の空き地などを活用し、NPO法人や企業などの民間が公開緑地の設置管理を行う制度で、近年増加傾向にある民間の未利用地を有効に活用しながら市民が気軽に利用できる公園的な空間の整備を推進する。
 この制度は都市緑地法等の一部改正により創設され、制度の活用に当たっては緑地重点区域を定める必要がある。市では自然環境と共生できる緑豊かな市街地の形成に取り組んでおり、市街化区域の全域を緑化重点地区に位置付けるため緑の基本計画を改正する。
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 緑の基本計画の改正案は、意見を2月23日まで募る。寄せられた意見を踏まえ本年度内に計画を改正する。


W Park―PFI(パーク・ピー・エフ・アイ) 飲食店や売店など公園利用者の利便性の向上に資する施設の設置と、施設から生ずる収益を活用して園路や広場など一般の公園利用者が利用できる施設の整備や改修などを一体的に行う者を公募で選定する制度。都市公園に民間の優良な投資を誘導し、公園管理者の財政負担を軽減しつつ都市公園の質の向上、公園利用者の利便の向上を図る。