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建通新聞社四国
2019/02/12

【香川】高松市 蘇鉄の間は鉄骨フレームで耐震方針

 高松市は、耐震化に向けた補強工法の検討を進めていた玉藻公園内の「重要文化財披雲閣(旧松平家高松別邸)本館蘇鉄の間」について、庇(ひさし)を支える柱通りに鉄骨フレームを設置する「鉄骨フレーム案」を採用する方向性を示した。2018年度内に開かれる22回目の耐震補強策を協議する専門家会議「史跡高松城跡整備会議建造物整備部会」で了承されれば19年度に設計、20年度の着工を目指す。
 高松市玉藻町2ノ1にある同施設は1917年に完成。木造軸組平屋233平方bで基礎は礎石と土台、屋根は桟瓦、小屋組みはトラス。補強案としてはこれまでに「鉄骨フレーム設置案」と「添え柱と耐力壁増設案」の2案について、耐震性能や文化財的価値などを比較検討、耐震性能の優位性などから鉄骨フレーム案を採用する方針となった。
 鉄骨フレーム案は、庇(ひさし)を支える柱通りに鉄骨フレームを設置し、バットレス(控え壁)のような形状で建物本体を補強。内観と外観の意匠に影響を与えないように、縁側の柱通り、縁側庇(ひさし)面、天井裏に補強材を配置し、できるだけ補強材が目立たないよう配慮している。補強鉄骨の柱脚には、浮き上がり防止の基礎が必要だが、発掘調査により地表面に遺構があることが判明、地面下を掘って基礎を設置することができない。このため、鉄筋コンクリート基礎と鉄骨の基礎はりを床下に設置するか縁下に設置する。
 披雲閣は、蘇鉄の間の他、大書院、杉の間、桐の間、管理事務所などで構成、建築面積は1916平方b。大書院、杉の間、桐の間、管理事務所棟については補強計画案を策定中。槙の間、松の間、藤の間については19年度で耐震診断を行う予定。


提供:建通新聞社