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建設経済新聞社
2019/02/27

【京都】新たな京都市動物園構想素案 サルワールド整備など27施策

 京都市は26日、新たな「京都市動物園構想」の素案をまとめ明らかにした。
 同構想策定の第4回検討会議で示した内容によると、京都市動物園理念として、「絶滅の恐れのある動物種の繁殖に取り組み、希少種の命をつなぎ、種の保存に寄与」「動物の福祉に配慮し、命を輝かせる飼育・展示を行う」「野生動物の行動や生態、動物福祉などの研究を推進し、生物多様性の保全に寄与」「種の保存の取り組みや研究の成果を生かし、幅広い年齢層を対象に環境教育を実践し、楽しい学びの場を提供」「人と動物に係る様々な文化を発信」などを掲げ、京都市動物園の役割として@種の保存・環境保全の拠点A研究機関B教育機関Cレクリエーション施設を設定し、5つの柱と27の施策を盛り込んだ。
 柱1は「生物多様性の保全に力強く貢献し日本をリードする動物園」で、施策1は持続可能な飼育展示・繁殖の推進、施策2は国際的な希少種の域外保全の推進(グレビーシマウマの繁殖拠点としての施設充実化及び国内繁殖計画の推進など)、施策3は国内希少種の域外・域内保全の推進(京都府下で唯一繁殖が確認されていた平安神宮と協力し、イチモンジタナゴの繁殖及び野生再導入に向けた取組の推進など)。
 柱2は「野生動物の行動や生態、福祉を研究する世界水準の動物園」で、施策4は希少種の保全や動物福祉の研究の推進、施策5は動物の子育て、競合、協調から人間・社会を学ぶ研究(人間教育)の推進、施策6は遺伝子解析を駆使した繁殖・保全の推進、施策7は学術機関との連携による研究・教育普及活動の推進、施策8は動物福祉の研究の飼育環境・教育普及事業への活用。
 柱3は「文化教育施設として日本国内のオンリーワンを目指す動物園」で、施策9は動物園における環境教育の整備、施策10は「きょうと☆いのちかがやく博物館」事業(4園館連携)の推進、施策11は京都府立植物園との政策と事業の融合・連携の推進、施策12は国内外の実習生の受入れによる教育の場の形成、施策13は京都市立芸術大学との連携など文化を発信する場としての機能向上、施策14は世界に向けた研究成果や動物園の取組の発信、施策15は学校教育の素材としての動物園の活用の推進。
 柱4は「多くの人が集い、多くの学びを広げる動物園」で、施策16は岡崎地域活性化のための連携、施策17は外国人観光客の誘致(動物説明板の多言語化の促進等)、施策18は「環境都市・京都」の発信による教育旅行の誘致、施策19は効果的な広報活動の展開。
 柱5は「『近くて楽しい動物園』の更なる進化」で、施策20は展示の充実及び「エコ・Zoo」の推進(現代的な展示技術(生態展示、行動展示等、自然エネルギー設備の導入促進)の導入)、施策21はユニバーサルデザインの推進(園内の通路・施設・サインなどのユニバーサルデザイン化の促進、ベンチやパーゴラ等の休憩施設の充実整備と適正な維持管理充実の実施等)、施策22は顧客満足度(CS)の高いサービスの提供、施策23は市民ボランティアとの協働、施策24は共汗に基づく市民及び企業の参加促進、施策25はハード整備の推進(サルワールド(サル島及び類人猿舎)をはじめとした園内獣舎の動物福祉に配慮した整備の検討、教育・研究機関としてハード・ソフト両面からの機能拡充)、施策26は動物舎の計画的な維持・管理充実(動物舎の修繕計画の作成、園内の草花や樹木の充実整備と育成管理等)、施策27は運営体制の充実及び更なる安全対策の実施。
 別途作成のコレクションプランでは、▽ゾウ舎の準間接施設への改修及びトレーニング▽イチモンジタナゴの域内保全設備の整備等の検討を挙げ、中長期目標にサルワールド(サル島及び類人猿舎)の整備等を設定した。