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建通新聞社(神奈川)
2019/03/05

【神奈川】県の相模ダムリニューアル 概算工事費252億に

 神奈川県企業庁は、相模ダムリニューアル事業計画案をまとめた。2019年度から38年度までの20年間にわたり、設計・調査や下流施設工事(減勢工など)、放流施設工事(ゲート更新、堤体腹付けコンクリート打設など)に取り組む内容。間接経費などを含めた概算工事費は税込み約252億円としている。
 事業計画案によると、19〜23年度に設計・調査業務と準備工事を予定。放流ゲートやピアなど対象構造物の詳細な形状を確定し、「工事実施計画」を策定するための実施設計などを行う。概算工事費を12億円とした準備工事では、ダム下流右岸進入路建設工事(延長約400b)と、送電線移設工事を計画している。
 準備工事を終えた24年度には下流施設工事に着手。ダム放流水の確実な減勢と、ダム直下流域河道の洗堀防止、川岸の崩落防止などを目的に、減勢工(副ダム付き水平水叩き)、護岸工(ブロック積み擁壁)、護床工(護床ブロック)を実施する。工事期間は28年度までの5年間で、概算工事費は58億円。
 放流施設工事(概算工事費127億円)は27年度から38年度にかけて行う計画。ゲート設備とピアを更新するため、既設ゲート下流側に新たな構造物を築造する。洪水吐ゲート形式は、現行のローラーゲートからラジアルゲートに変更。ゲート設備更新に伴う堤体越流部形状変更のため、越流部のコンクリート切り下げ工事と、堤体下流部のコンクリート打ち増し(腹付け)工事を行う。
 更新対象施設は、洪水吐ゲート5門、調節ゲート1門、ゲート開閉装置6基、ピア7基。
 相模ダムは、相模原市緑区与瀬、若柳地内に所在する重力式コンクリートダム。堤高58・4b、堤頂長196bで、総貯水容量は6320万立方bに及ぶ。1947年に完成から70年以上が経過し、全体的に施設が老朽化しているため、リニューアル事業を行うことになった。
 これまで、ダム本体他の諸設備改良検討を八千代エンジニヤリング(東京都台東区)、地質調査を建設技術研究所(東京都中央区)、水理実験をパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)に委託するなど、各種の調査・検討業務を進めている。
 19年度当初予算案にはリニューアル事業に関連する調査・設計委託のため、2億5796万円(うち相模貯水池管理事業費1億3560万円)を計上。期間を19〜20年度、限度額を1億8594万円(うち相模貯水池管理事業費3286万円)とする債務負担行為も設定している。

提供:建通新聞社