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鹿児島建設新聞
2019/03/07

【鹿児島】県、新薩南病院移転/来年度、基本計画まで策定

 県は、新薩南病院の移転整備に向けて基本構想を策定するため、2019年度当初予算案に委員会設置や地質調査費等の経費に1680万円を計上している。6日、県議会予算特別委員会で園田豊議員(自民党、南さつま市区)が今後の見通しを質問。三反園訓県知事は来年度、基本計画まで策定することを明らかにした。建設地は南さつま市中心部が有力視されている。 

 移転整備に向けた取り組みは、在り方検討委員会を14年10月に設けて検討を開始。5回開催し、16年3月には現地整備では経営が極めて厳しいことや、新たな診療科等の開設の見通しが立った時点で、改めて検討することを提言書にまとめた。 
 現病院は、結核病棟を設置したために中心部から離れた吹上浜海浜公園近くの南さつま市加世田高橋に所在。建物規模はRC造3階建1万3124u(1979年3月竣工)。老朽化に加え、海抜4mの砂地に立地し、交通アクセスや敷地にドクターヘリ離発着場がないなどの問題点がある。 
 経営分析等を病院システムで15年度に実施。現地での整備や移転建て替えに加え、新たな診療科開設ごとの経営シミュレーションを実施。移転した場合の敷地面積は2万u、既存診療科の場合は基本3病棟で120床を設定。診療科を増やした場合には病棟1棟を追加し、病床数を増加させて試算した。 
 現地では、経営は極めて厳しいことが判明。移転先として同市中心部等を想定すると、土地取得費は南さつま市の場合に5億7000万円、南九州市川辺町が3億1400万円と試算した経緯がある。 
 建設地について三反園知事は「策定委員会でいくつかの候補地を挙げ、検討委員会の提言に沿って検討する」と答弁。園田議員は「利用者は、南さつま市民が外来70%、入院59%ともっとも多い。地域になくてはならない病院。交通利便性等を含め同市中心部に建設してほしい」と訴えた。 
 今後のスケジュールは、基本構想を案の策定後にパブリックコメント手続きを進め、県議会定例会で議論を行い決定。その後、19年度内に基本計画まで定める予定。20年度には基本設計に着手するもよう。 

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