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建設経済新聞社
2019/03/13

【京都】洛南病院、2期に分け建替え 33年度工事で31年度に基本設計

 京都府は、宇治市五ヶ庄の洛南病院の建替えに向け、31年度に基本設計と地質調査にとりかかる。
 洛南病院を巡っては、老朽化や患者数増加などへの対応から、25年度に今後の公立精神科病院の役割を検討するための「21世紀の少子高齢化にふさわしい府立洛南病院の整備構想懇談会」を設置し、洛南病院のあり方に意見を聴取し、パブリックコメントを実施した。
 27年度に洛南病院整備基本構想をシステム環境研究所大阪事務所(大阪府吹田市)でとりまとめ、必要な病院機能の検討を行うなど病院経営・運営の課題を整理した。
 28年度に洛南病院建替工事進入路等調査・検討業務をキクチコンサルタント(京都市北区)で進めた。
 全国的に入院患者が増加し、近畿圏には大阪府・滋賀県・奈良県の3府県にしかない医療観察法病床の整備についても検討。29年度に洛南病院施設整備計画を内藤建築事務所(京都市左京区)に委託し進めた。
 当初の施設整備計画案では、構造はRC造(耐震構造)を想定、階数は地下1階地上5階建で、T期は延約1万3546u、U期は延約5445uと算出。事業費は約100億円と試算した。計画の見直しにより、規模は当初案より若干大きくなるとみられる。
 施設の老朽化や精神科ニーズの多様化に対応するため、児童思春期、薬物依存症、重症うつ病、医療観察法等の新たな機能を備えた施設整備に向けた基本設計に着手するとともに、地質調査を行うため、31年度当初予算案の病院事業会計に洛南病院建替整備事業費として5500万円を新規計上した。
 32年度の実施設計、工事用進入路の整備を経て、33年度から建設工事に着手する予定。工期は5年程度を見込む。
 建替えは大きく7つのステップを踏んで整備する予定。
 ステップ1は西駐車場の既存浄化槽、防火水槽の解体撤去、ステップ2はT期棟の新築工事、ステップ3は既存本館の解体撤去(先行して本館機能の一部仮移転)、ステップ4はU期棟の新築工事、ステップ5は第1・2病棟、第3病棟・活動療法棟、第5・旧6病棟及び渡り廊下の解体撤去、ステップ6はステップ5で解体した範囲に東駐車場、テニスコートの整備、ステップ7は第7・8病棟・サービス等、エネルギー棟及び付属建物の解体撤去、整地。
 現在の洛南病院(宇治市五ヶ庄広岡谷2/昭和20年6月開設)は、診療規模が入院256床(許可病床数)、外来150人/日。