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福島建設工業新聞社
2019/03/15

【福島】県、ICT拡大/土工・舗装工一定規模以上で原則化

 県土木部のICT活用工事の2019年度実施方針が固まった。土工、舗装工事とも、対象工事を発注者が選定、モデル的に実施してきたこれまでの運用を改め、一定規模以上の工事でICT活用を原則化する。港湾工事におけるICT浚渫工も導入する。これまでと同じく、国交省の「受注者希望U型」に準じた “手上げ方式” により実施する。今年度立ち上げた「県i―Construction推進協議会」の枠組みを維持。市町村工事を含めた普及促進を促すため、小規模工事におけるICTの最適利用に関するノウハウ共有のため、報告会や業団体と連携した講習会等も展開する。
 県のICT活用工事は土木部が17年度から取り組んでいる。河川、道路土工から実施。対象工事を@河川土工、海岸土工、砂防土工=掘削工、盛土工、法面整形工A道路土工=掘削工、路体盛土工、路床盛土工、法面整形工―で土工を含む一般土木工事とし、17年度は土工量5万立方b、18年度は1万立方b以上の基準を定め、生産性向上効果と導入コストを勘案の上、発注者が対象工事を選定して実施してきた。
 18年度は各建設事務所1件、計8件を対象工事に抽出。現在この8件中、ICT活用工事を実施したものが3件、協議中と未発注が各1件となっている。
 19年度は土工量の基準をさらに引き下げる。1000立方b以上の一般土木工事でICT活用を原則化する。
 舗装工事は18年度からの実施。舗装面積3000平方b以上の新設の舗装工事、一般土木の路盤工を対象とし、5件を選定。1件で実施した。
 19年度は舗装工事でも発注者による対象工事の抽出方式を改め、3000平方b以上の原則、全工事をICT活用工事の対象とする。
 ただし土工、舗装工とも、現場条件や予算等の制約からICT活用工事に適さない工事は除外する。
 実施対象を港湾工事の浚渫工にも拡大する。対象工事の条件などは今後詰める。
 国土交通省では小規模なICT土工の採算性を改善するため、19年度の土木工事積算基準の改定で、ICT土工(掘削)の積算区分に小規模区分を追加するなどの見直しを行うこととしており、県もこれに倣う方向。
 県では今年度、県南建設事務所発注の国道289号・青生野工区の改良工事が、国土交通省の現場支援型モデル工事に選定されたことを受けて、ICT活用工事の普及・展開に向けて、官民で構成する「県i―Construction推進協議会」を立ち上げ、地方自治体が発注する中小規模工事でICT活用工事を推進していく上での情報の共有や課題解決・検証、人材育成に取り組んでいる。
 19年度以降もこの枠組みを継続させ、ノウハウ等の幅広い共有を図る。今年度実施したモデル事業での効果検証結果の共有に向けて、受発注者を対象に報告会を5月に開く。
 ICTに取り組む受注者の、さまざまな熟度に応じたニーズに対応するため、今年度の講習会の結果を関係業団体と共有した上で、テーマを絞った講習会の開催も検討する。