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北海道建設新聞社
2019/03/28

【北海道】生産追い付かずフルハーネス欠品状態 納期待ち半年ほどに

 厚生労働省の改正政省令施行により、墜落制止用器具である「フルハーネス型」の需要が旺盛だ。新規格の移行まで3年ほどの猶予があるが、安全意識の高いゼネコンを中心に早い段階から現場で定着させようと、導入の動きが強まっている。しかし、急増する受注にメーカーの生産が追い付かず、欠品状態を余儀なくされている。
 2月1日に施行された墜落制止用器具の規格で「高さ6.75m超の箇所で使用する墜落制止用器具はフルハーネス型でなければならい」など示している。
 構造や部品の強度などに求められる要件と、それを確認するための試験方法なども規定。原則は新規格に適合させる必要があるが、旧規格に基づく安全帯は22年1月1日まで販売や使用が可能という経過措置を設けている。
 新規格への移行に合わせ、「3つのフリー」をテーマに新商品5型式を販売する谷沢製作所(本社・東京)。1月の発売以降、受注の多さに生産が追い付かず、欠品状態が続いている。「注文を受けても納品できるのは9―10月ころになりそう」(札幌営業所)という。
 電力工事会社向けを得意とする藤井電工(本社・兵庫県加東市)。新規格フルハーネス型の上市以降、問い合わせは例年の3―4倍となった。他社と同様、注文を受けても納期未定の状態が続いている。営業部の森脇将之主任は「いち早く新規格対応製品を手に入れたいと考える人が多い」と話す。
 世界75カ国以上で墜落防止製品を扱っているスリーエムジャパン(本社・東京)。新規格に対応したフルハーネス型は、法改正によって需要が急増し、全国的に一時品薄の状態。規格改正後の2月は前年同月比5倍超の注文があった。特に、国内ユーザーの声を反映して開発したシリーズ3製品の引き合いが強いという。
 各メーカーとも建設会社だけでなく、ワークショップやホームセンター、資材会社からの注文に対応しなければならない。1件当たりの注文ロットが多く、そうした引き合いが強いのもメーカーの在庫切れに拍車を掛けているもようだ。
 ワークショップ「プロノ」を展開するハミューレ(本社・札幌)。タジマ製をメインに取り扱い、現状もある程度の在庫を確保している。最近は、店頭でもフルハーネス型を買い求める客が目立つという。
 あるメーカー関係者は「品切れの状況はしばらく続きそう。現状の納期待ちは半年ほどなので、3年の猶予でもあっという間に過ぎる。早め早めに注文してほしい」と話している。