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西日本建設新聞社
2019/03/28

【熊本】日本一の瓦職人誕生 技能グランプリ「金賞」末吉真也さん

 1級技能士などが技の日本一を競う第30回技能グランプリで、「かわらぶき職種」に出場した丸宗瓦(荒尾市)の末吉真也さん(36才)が1位の金賞に輝いた。熊本県勢の金賞受賞は大会史上2人目で、同職種では九州初。25日には、末吉さんが蒲島郁夫知事を訪問し、「これからは後進の指導に力を入れていく」と語った。
 大会は3月1日〜4日の4日間、兵庫県の神戸国際展示場などで開催。かわらぶき職種は、全国から13人の熟練技能士が腕を競った。
 競技は、2日間延べ9時間30分の制限時間内に、約100枚の多様な瓦を屋根に見立てた架台に葺いていく。耐震性や耐風性などが求められ、「たがね」という工具で数ミリ単位で調整しながら瓦を納める作業は、高度な技能が必要となる。
 末吉さんは、その寸法の精度や全体的なバランスなどで高い評価を獲得。「約800人の観客が見守る中、極度の緊張感があったが、日頃の業務などで培った技能が発揮できた」と振り返った。
 瓦工事業を営む親戚がいるなど幼い頃から瓦に触れる環境にあったため、自然とこの道を選んだ。京都での修行経験を持ち、神社仏閣等の伝統技能も習得。昨年4月までの1年間は、熊本城大天守閣の屋根復旧に携わった。
 災害等を背景に、業界では軽量屋根材が台頭し、瓦ぶき職人も減少している。「瓦は崩れるという声があるが、色んな要因があってのこと。今は災害に強い屋根づくりが進んでいる。1級技能士の存在を広く一般に知ってもらい、今後も良い仕事をしていきたい」。甍文化を後世へ伝える役割をこう話した。

提供:西日本建設新聞社
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