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建通新聞社四国
2019/04/10

【香川】土木工事施工条件明示の手引き(案)策定

 四国地方整備局は4月3日、「土木工事施工条件明示の手引き(案)」を策定した。同局では公共工事の品質確保の促進に関する法律を踏まえ、土木工事の発注時に施工条件の明示を行っているが、受注者が安心して入札に参加するため、発注時の前提条件を適正に明示することが重要であるとして策定した。関係機関・団体に配布。受発注者相互で共有しつつ不調・不落対策につなげる。また、同案は今後、適宜加除しつつ改訂する。
 手引き(案)は▽入札・契約関連(施策)▽設計・積算関連(工程・用地調査・公害・安全対策・工事用道路・仮設備・建設副産物・工事障害物・薬液注入・その他関係)―の明示すべき該当項目とその有無を掲げた。さらに詳細チェックリストで項目の条件明示のポイントを記載している。
 例えば、工程関係では▽影響を受ける他の工事▽自然的・社会的条件で時期、時間および工法などの制約を受ける工事▽関係機関などとの協議に未成立のものがある工事▽関係機関、自治体などとの協議結果、工程に影響を受ける工事▽地上物件・地下埋設物・埋蔵文化財などの事前調査・移設の制約を受ける工事▽積算工程上の作業不能日数や仮設材料の損料日数を設定した工事▽現場条件による、工法の制限の結果、工程に影響を受ける工事▽別途発注による詳細設計を実施中の工事▽受注者の責めによらない理由による、工程短縮の必要な工事―での条件明示を例示した。
 土木工事は土質・湧水時などの変化に備え、前提条件を明示し設計変更の円滑化を図ることや、工事に必要な関係機関との調整、住民合意、用地確保や法定手続きなどの進捗状況などを踏まえた現場の実態に即した、施工条件の明示による適切な設計図書を作成し、積算内容との整合性を図る必要が求められる。これらが背景として不調・不落につながっているとの指摘もある。
 しかし、個々の発注者の、意識の違いや明示する項目、内容の不備も見受けられ、施工条件の不明瞭により円滑な設計変更が図られない場合もある。このため、四国地整では項目別チェックリストと記載例を集約的に掲載した手引き(案)を策定した。
 発注者サイドは発注時の設計図書に明示する条件などの確認資料や、積算、設計図書作成に先立つ施工現場の条件、環境、制約などを調査・確認する際の手引きとして活用できる。
 施工経験の多少にかかわらず、統一的な条件明示や積算部署と監督部署との情報共有により、施工時の調整や協議の際の内訳データとしても活用できると期待される。
 一方、受注者(見積者)サイドから、契約締結後の契約書の確認資料、施工途中で生じる施工条件の変更や新たな課題に対応する円滑な設計変更、現場条件確認時の手引きに位置付けることで、現場調査・測量時のチェックリストや整理フォーマット(様式)として活用できる。

提供:建通新聞社