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建通新聞社
2019/05/31

【大阪】施工時期平準化など市町村、中小に普及を

 国土交通省と近畿2府5県・4政令市の土木部長らによる2019年度春季近畿地方ブロック土木部長等会議が5月29日、滋賀県長浜市で開かれた。今回は、品確法に伴う施工時期の平準化や生産性向上・働き方改革を進めるためのICT施工、週休2日工事などが議題に上がり、市町村レベルや中小建設企業への普及が引き続き課題だと認識、近畿ブロック発注者協議会の場で実効ある取り組みについて議論を深めることなどを確認した。
 冒頭のあいさつで、本省大臣官房の五道仁実技術審議官は、防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3カ年緊急対策を踏まえた予算を確実に執行していくとともに、週休2日など働き方改革について「市町村を含む自治体、中小建設企業にも取り組んでもらう必要がある」と協力を求め、近畿地方整備局の黒川純一良局長も担い手確保を進めていくためにも「週休2日がしっかり取れるよう余裕のある工期設定や賃金の確保が必要」と呼び掛けた。
 滋賀県の西嶋栄治副知事は、大津市で起きた保育園児が死傷する交通事故を受け「速やかに安全対策に取り組みたい」と前置きしながら、「災害対応や働き方改革など土木行政が抱える課題にしっかり取り組んでいきたい」と述べ、活発な議論に期待した。
 今回の議題は@品確法の実施状況・運用指針などA生産性向上と働き方改革の取り組みBインフラメンテナンスや国土強靱化の推進―の3項目を取り上げた。
 品確法の実施状況については、施工時期の平準化が府県には浸透してきているものの、市町村は依然として議会対応や財政部局への説明などがハードルとしてあることを認識。発注者の責務として平準化に努める意識は共有しながら、平準化率の目標は設けない形で実効ある取り組みに向け、発注者協議会の場を活用することとした。
 生産性向上のためのICT施工や3次元データの活用についても市町村レベルや地元建設関連企業への普及、ICT関連機械の導入に伴う経費負担が課題と確認。兵庫県は発注者指定型の導入の検討や中小企業の導入経費に対する独自の取り組みを含めた助成制度の活用を進める考えを示した。また、ドローンのライセンス制度を独自で設けた滋賀県の事例や商工会議所と包括協定を結び、普及に向けた研究を進めていくという大阪市の取り組みなどが報告された。
 週休2日については、取り組みが進む大阪府や滋賀県をはじめ、必要性を認識する自治体は多いものの、土日に現場を丸ごと閉める完全週休2日は厳しいという意見が根強く、4週8休を念頭に置きながらローテーションを組んで休みを選択できるようにする現実的な案も示された。
 インフラメンテナンスについては、自治体トップの意識向上を促す狙いでインフラメンテナンス国民会議に(仮称)リーダーフォーラムを設置し、地方フォーラムを通じて市町村などに展開する取り組みを紹介した。

提供:建通新聞社