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建通新聞社(東京)
2019/06/05

【東京】小池知事が本会議で所信表明

 東京都の小池百合子知事は6月4日、2019年第2回都議会定例会の開会に当たって所信を表明し、東京の成長と成熟の大前提として安全・安心の確保を挙げ、「新たな調節池の検討に前倒しで着手するなど都市型水害への備えを固める」との考えを示した。東京の成長を支えるまちづくりの重要性についても触れ、「都内各地でそれぞれの特性を生かして都市機能を充実させる。誰もが利用しやすい機能的なターミナルへの再編に取り組む新宿駅では、年内の都市計画決定に向けた手続きを開始し、築地(市場跡地)では、まちづくり方針を踏まえ、民間の知恵も活用しながら地域の魅力を引き出し、東京全体の価値の最大化につなげる」と述べた。
 小池知事は、高齢化と人口減少の同時進行など大きな変革期にある時代に的確に対応するため、2040年代の姿を念頭に置きながら2030年の東京の将来像についての全庁的な議論を開始したと説明。都民の意見や都議会での議論に加え、SDGs(持続可能な開発目標)といった世界基準も踏まえながら、「8月をめどに新たな長期計画の論点を整理する」と今後の見通しを示した。
 安全・安心の確保では、ソフト・ハード両面から都市型水害への備えを固める必要があると強調。洪水、高潮、土砂災害などさまざまな災害に対応した都独自の「マイ・タイムライン」の普及に努めるとともに、18年度に実施した防災事業の緊急点検の結果、前倒しで検討することにした新たな調節池について「早速検討に着手した」と述べた。
 東京と日本が未来に向けて成長を生み続けるため、新たな価値の創出につながる成長戦略に取り組むとの考えも表明。その要としてSociety5.0を挙げ、「金融、経済、情報など幅広分野の専門家からなる検討会を立ち上げ、東京の在るべき姿や先端技術を活用した施策展開の方向性についての議論を始めた。行政の枠を超えた多様なアイデアをいただきながら、東京の『稼ぐ力』に磨きをかける」と話した。
 その稼ぐ力の礎として「多様な経済波及効果を生み出し、国際競争に勝ち抜く基盤ともなる幹線道路ネットワーク」を挙げ、今後もネットワーク形成に着実に取り組むとの決意も示した。
 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会については、「6月に海の森水上競技場が完成披露式典を迎えるなど、熱戦の舞台の準備は着々と進んでいる。アリーナ施設として国内で初めて管理運営にコンセッション方式を導入する有明アリーナは、民間事業者に運営権を設定する議案を本定例会に提案した」と述べ、引き続き大会準備の総仕上げを着実に進めると強調。合わせてテレワークと時差ビズ、交通需要マネジメントの取り組みを一体的に進める「スムーズビズ」について企業などに協力を求めた。

提供:建通新聞社