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北陸工業新聞社
2019/06/06

【富山】とやま新機軸/災害に強い県土づくり推進/富山県議会議長中川忠昭氏/「人材育成へ職業観育む」 

 少子高齢化による人口減少への対応が喫緊の課題となっている。持続的発展に向けて、まず人材育成を挙げる。「あらゆる分野において果敢にチャレンジできる子供たちを育てていくことが重要」と指摘した上で、「教育を通じ職業観を育む。どんな職業も社会を支えていることを学び、自信と誇りを持って仕事に取り組む意欲を引き出す」と次代の成長へ期待を寄せる。北陸新幹線の開業から5年目を迎え、県内各地で様々な開業効果が発現している。22年度末までの金沢・敦賀間開業に続き、「全力を投じて1年、1日でも早く大阪まで全線開通させる。人の動きがさらに活発となり、首都圏や関西圏から来てもらえるチャンスをつくることになる」と捉え、富山の拠点性を高めていく。ものづくり産業の輸出、観光の振興にも力を入れる。
 近年は全国的に地震や水害などが頻発。ひとたび自然災害が発生すると社会経済に大きな影響を及ぼす。置県以来の治水の歴史を踏まえ、「先人が行動したようにまずは災害が起きないよう先手を打って、災害に強い安全・安心な県土づくりを進める」と強調。防災・減災事業や社会インフラの老朽化対策をはじめ、必要な公共事業予算の増額確保を求めていく。建設業では人手不足が深刻化している。「多種多様な工種からなり、それぞれで賃金を上げないと若者も入職しない」とし、雇用環境の改善による担い手の確保を図る。県内建設企業が健全な経営を続けられるよう、「安定的、継続的な公共投資の見通しが不可欠。発注の平準化、適正な工期の設定にも積極的に取り組む」と総合的な支援を展開していく。
 令和最初の議長に就任し、「県民の声を聞き、公正で公平な議会運営に努める」との方針を示す。議会改革、情報発信に加え、主権者教育に取り組み、若者の政治や社会参画への関心を高める。6期目を迎えた県議として印象深いことに、とやま農業未来カレッジの開校、議員提案条例の第1号となる「都市との交流による農山漁村の活性化に関する条例」制定を挙げる。県武道協議会の会長を務め、県営武道館の新設を要望。「思いやりの心が薄くなってきている。相手の努力を讃え、互いに人格を磨いていくのが武道の精神。新しい武道の殿堂をつくることにより、富山県教育のシンボルにしたい」と徳育・体育の振興拠点に位置づける。
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 なかがわ・ただあき 新潟大学農学部卒。99年県議に初当選し、教育警務常任委、産業基盤強化特別委の委員長などを歴任。5月に127代(戦後73代)議長に就任した。富山市中川原。69歳。県土地改良協議会、県日台親善協会の会長を務める。

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