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建通新聞社(東京)
2019/06/17

【東京】都 江戸東京博物館大規模改修で基本設計

 東京都財務局建築保全部は6月17日、「東京都江戸東京博物館(31)改修工事基本設計」の委託先を決めるためプロポーザル手続きを開始する。建物や設備の老朽化・劣化に対応するため、施設を休館し展示物を全て搬出した上で、躯体を残してほぼ全面的に改修する計画。24〜28日に参加表明書を受け付けた後、7月5日に技術提案書の提出を要請。提案内容の審査とヒアリングを行って設計者を特定し、9月20日の見積もり合わせを経て業務を委託する。2021年度の着工を目指す。
 江戸と東京の歴史・文化に関する資料の収集・保存・展示を目的に建設した江戸東京博物館(墨田区横網1ノ4ノ1、敷地面積3万0693平方b)の規模は鉄骨一部鉄骨鉄筋コンクリート一部鉄筋コンクリート造地下2階地上7階建て延べ4万6590平方b。設計を菊竹清訓建築設計事務所、本体施工を鹿島・鉄建・錢高・村本・松村・東亜・坂田・井上・岡本共同企業体が担当し、1993年に完成した。
 地階に機械・電気室、中央監視室、楽屋など、地上1階にエントランスホールや企画展示室、大・小ホール、2階に事務室、3階に江戸東京ひろば、4階に収蔵庫、5・6階に常設展示室、7階に図書室やレストランを配置。重要文化財を含む所蔵・展示を行っている。
 これまでに非構造部材など緊急対応工事や一部補修工事などを実施しているものの、完成から25年以上が経過し、建物内外部や設備の劣化が進行しているため、今後も安全に使い続けることができるよう大規模改修を実施する。
 施設を運営しながら工事を段階的に進めることが難しいため、収蔵品や常設展示室内の大型模型を全て移転し、建物を休館した上で施工する。
 建築や設備の劣化状況への対応に加え、ユニバーサルデザインへの対応や省エネルギー・再生可能エネルギーの利用推進などの観点から、躯体を残して建物の内外装を全面的に改修するとともに、設備を更新する。
 基本設計の履行期間は20年11月16日。参考業務規模は1億5500万円程度(税込み)。引き続き実施設計に移行して21年度に取りまとめ、22〜24年度の3カ年で改修工事を進める。完成後に改めて展示物などを戻し、リニューアルオープンする。展示物の移設工事などは生活文化局が担当する。

提供:建通新聞社