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北陸工業新聞社
2019/06/17

【新潟】ベトナム人技術者8人を採用/トップライズの人材育成戦略 

 トップライズ(本社・新潟市秋葉区北上2丁目22番29号 大滝充司代表取締役社長)は、新たな人材育成戦略として、4月にベトナム人技術者8人を採用した。このほど約1カ月の研修を終え、全国の営業所に配属となった。
 建設業における担い手不足が深刻な問題となっている昨今、同社も例外ではなく、渡邉卓己統括課長は「新規採用の募集をかけても全く反応がなかった」と振り返る。きっかけとなったのは、M&Aで買収した企業がベトナム人技術者を雇用していたこと。人材確保の新たな戦略として海外に活路を見出し、現地で採用面接を行った。
 4月10日に8人の入社式を開き、研修を開始。教育係を務める酒井拓明氏(測量計測部)によると、一番の課題はコミュニケーション。「思った以上に彼らの日本語のレベルにばらつきがあり、苦労した」と語る。日本語で積極的に話しかけること、通じない場合は図や絵に描いて伝えることなどのルールを設け、粘り強く取り組んだ。「ボディランゲージのような非言語コミュニケーションの重要さが身に染みて分かった」と笑う。慣れない日本での生活規則やビジネスマナーまで、教えることは多い。
 彼らは地元で一流の教育を受けており、業務に関する知識は申し分ないという。渡邉氏は「コミュニケーションの問題さえクリアできれば、即戦力になる」と太鼓判を押す。研修を終え、仙台に2人、横浜に2人、新潟に4人が配属された。本社測量計測部配属となったデイン・スアン・ジェウ氏(27歳)は、大学で会得した土木の知識を生かせる場を日本に求め、来日した。今は、現場での作業や測量ソフトの扱い方を実践しながら学んでいる。「毎日学ぶことは多い。もっと勉強してもっと上手にできるようになりたい」と話す。素直で、高い向上心を持つのが彼らの強みだ。
 渡邉氏は、彼らが技術者として定着できれば、2期生の採用も見込んでいると語る。また、今回の取組みを通じて得たノウハウを生かした人材派遣事業の立ち上げも構想しているという。将来、育成した人材による現地法人の設立も視野に入れており、担い手不足という危機を転じて、事業拡大のチャンスに変える同社の画期的な戦略に注目したい。

hokuriku