トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2019/06/28

【香川】県教委 県議会に新県立体育館整備進捗状況

 香川県教育委員会は、県議会文教厚生委員会にこのほど新香川県立体育館基本設計の進捗状況等と管理運営方法の調査について報告した。コストコントロールや管理運営方法などを、現在、SANAA事務所(東京都江東区)で進める基本設計に反映させる。
 基本計画によると、サンポート高松の敷地約3万1400平方bにメインアリーナ、サブアリーナと武道施設兼多目的ルームなど延べ床面積3万平方b程度の体育館を建設する。概算事業費は建設工事費(設計費、調査費、工事監理費、インフラ整備費、道路上デッキ整備費を除く)170〜190億円。備品7億円程度。2018〜20年度に基本設計・実施設計、21〜23年度で建設工事を進める予定。
 基本設計・実施設計はSANAA事務所に委託。18年11月14日〜21年1月29日までの納期で進めている。
 基本設計の進捗に応じて設計内容が発注者の方針や意向から逸脱しないよう品質面とコスト面などを確認し対応策などを助言するコンストラクション・マネジメント(CM業務)は、山下PMC(東京都中央区)に委託。納期は19年3月26日〜10月31日。
 また、サンポート高松の安全で安心、快適な動線確保などの対応策検討を行う周辺関連基礎調査は復建調査設計(四国支社・高松市)に委託。18年6月26日から19年10月31日までの納期で調査を行っている。新県立体育館の設計与条件を検討するための類似施設の施設仕様を確認する類似施設調査は黒木建築設計設計事務所(高松市)が担当した。
 基本設計は機能性や収益性を重視したアリーナ機能の充実や建設工事費の適正化などを図りつつ、設計を進める。基本的な考え方として、▽敷地と周囲の高低差を2b余に抑え、なだらかな斜面を介して多目的広場から敷地内、シーフロントプロムナードまで散策できる開かれた公共施設▽アリーナを密室化せず、アリーナと交流エリア、さらには軒下から屋外までをつなぎ、イベントのない時は交流エリアを屋外と併せて公園的に活用▽三つのアリーナは1階(アリーナレベル)でつなげ、一体的な利用が可能▽多様な使い方における音響、遮音、遮光、空調について対応―するなどとしている。
 個別検討で県議会からの指摘もあった屋根の骨組みはプロポーザル提案時点の3アリーナ共に平面形状を楕円(だえん)形から、メインアリーナとサブアリーナを正円、武道施設兼多目的ルームを長方形とし柱、梁(はり)、ブレースなどの構造材や屋根の下地、仕上げ部材は共通化を進め、施工のしやすさを検討する。
 屋根の表面仕上げは耐久性や強度、コストはもとより素材の調達や施工のしやすさなどの観点から材料、工法などを検証、検討を進める。今後、新県立体育館が利用しやすく、魅力ある施設となるよう全国の類似施設の調査なども設定した仕様を基本設計に反映させ、CMの手法を活用しコストコントロールに留意し設計を進める。
 一方、管理運営方法の調査はPwCアドバイザリー合同会社が担当した。調査報告によると、新県立体育館の管理運営事業で取りうる事業方式として▽直営▽指定管理者制度およびコンセッション(公共施設等運営権制度)を挙げた。マーケットサウンディングや新県立体育館の利用可能性についてヒアリングを行い、直営方式、指定管理者制度(事業期間5年間)、指定管理者制度またはコンセッション(事業期間15年間)の3パターンで税込み収支(消費税10%)で試算。指定管理者制度またはコンセッション(事業期間15年間)が最も収支のマイナスが低いとしている。
 県教委では基本設計の進捗状況に合わせ、施設の管理運営を効果的に行い利用者にとって低廉で良質なサービスを提供できるよう、大規模イベントの誘致に必要な期間も留意し管理運営方法を検討する。

提供:建通新聞社