トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設経済新聞社
2019/07/05

【京都】福知山市の大内山田奥池 堤体改修等で防災減災

 京都府は、福知山市大内山田の大内山田奥池について、府営土地改良事業(農業水路等長寿命化・防災減災事業)として堤体改修などに着手する。
 大内山田奥池は受益面積32・0fの農業経営上重要な水源。底樋が老朽化で破損し、周辺で漏水が発生していることに加え、堤体の余裕高も不足しており、豪雨時には破堤の危険性がある状況。そのため、堤体及び取水施設を改修する計画。
 現況の堤体(土堰堤(均一型))は堤高5・8m〜6・1m、堤長(北側)84・4m、(西側)125・6mの計210・0m、堤体積(北側)5670m3、(西側)9680m3の計1万5350m3。
 計画では、堤高6・3m(北側)、堤長(北側)79・8m、(西側)125・6mの計205・4m、堤体積(北側)7290m3、(西側)9680m3の計1万6970m3とする。
 取水施設は、取水工がスライドバルブφ300o×2孔(下位孔が緊急放流孔を兼ねる)、斜樋が鋼管φ500o×L4・0m、底樋がヒューム管φ800o(鉄筋コンクリートで全巻立)×L21・9m(開削工法による)。止水壁及び泥吐施設を設ける。
 洪水吐は既設を利用するが、底樋破損に対する応急対策として貯水位を下げるために切り欠いた越流堰の原形復旧を行う。
 取水施設(底樋)の改修に伴う均一型工法による堤体の復旧を行うとともに、堤体は均一型工法による断面補強(余裕高の確保)及び法面保護工の付加、基礎地盤改良及び下流法尻改良土置換えによる補強を行う。
 2ヵ年計画で、初年度は測量調査設計を進め、次年度に堤体改修、取水施設改修、洪水吐改修を行う。
 ため池のある福知山市大内山田は、里山の自然が形成され、多様な動植物の生息地となっていることから、池南部の浅場環境を可能な範囲で残存させる。施工時に池内が完全に乾燥する場合は、池の水際の一部を大型土のうで囲むなどして湿潤な環境が維持されるよう配慮する。カエル類の生息域の一部になっていると思われる周辺樹林地の改変は最小限にする。
 総事業費は9450万円を見込む。工事費7725万円、測量試験費1155万円(ボーリング、土質試験、測量、今年度実施設計費)、補償費120万円のほか、事務費450万円(事業費の5%)。
 府中丹広域振興局は、今年度に実施設計一式を進める。
 なお福知山市は、平成29年11月に大内山田奥池計画策定業務を入札。サンスイコンサルタントに委託し、進めた。